営業のプロが教える、一流と二流の差とは(第8回)

一流営業マンは、顧客に過剰な期待を抱かせない

2017.03.22 Wed連載バックナンバー

 顧客から告げられるクレームには、悪質なものから、会社側に非があるものまで、さまざまなものがあります。その中には一流の営業マンでも、発生率を下げられないクレームもあります。

 一流の営業マンでも避けられないクレームとは何か、そして、一流の営業マンだからこそ未然に防げるクレームとは何でしょうか。

 

一流営業マンでも回避できないクレームはある

 ある住宅リフォーム会社に、客からクレームの電話がありました。「本当に、なんとかしてよ。なんでこうなったのよ!」とすごい剣幕です。そのクレーム発生までの経緯は、以下のとおりです。

 リフォーム会社は客からの注文により、トイレ交換を請け負いました。工事中はトイレが使えないために、客には外出してもらい、留守の間に工事を終わらす約束でした。

 新しい洋式トイレへの交換が完了しました。そして、客が帰宅してトイレを見てびっくり!注文したトイレと、ぜんぜん違うものだったからです。

 すぐに客からクレームの電話がありました。「頼んでいたトイレと違うのがついてるんだけど、どうなってるの?」「シャワートイレまでついてるし、コンセントまで増えてるんだけど、なにこれ?」

 担当者が調べると、同姓の客のトイレが間違えて持ち込まれていたことがわかりました。コンセント増設の電気工事まで済んでいます。完全に、工事の段取り・発注ミスが原因の間違いでした。

客「しっかりしてよ。トイレ交換するの?またトイレ使えない工事をするわけ?」
業者「ええ、本当に申し訳ありません」
客「そんなの面倒だしさ、もう、このトイレで良いわよ。差額ってどうするの?いくらなの?」

 このとき、追加費用を計算すると8万円となっていました。

業者「思ったよりも高いトイレが付いてまして…差額8万円なんです…」
客「8万円なんて払えるわけないでしょ!だいたい頼んでもいないのに、勝手に間違えたのはあなたでしょ?本当に、なんとかしてよ。なんでこうなったのよ!」

 これは実際にあったクレームで、当然、業者は8万円の差額は払ってもらえませんでした。

 このような手違いが原因でクレームになるケースは、たとえ一流の営業マンであっても、自分とは関係の無いところで生じているため、避けることができません。こうしたトラブルまで営業マンが解決するのは無理な話です。

 

顧客とのイメージの違いが「グレーゾーン・クレーム」を生む

 ビジネスシーンでは、一般的にクレームは3種類に分類できると考えられています。

 ひとつ目は悪意のクレームです。金銭の見返りを狙ってくるクレームなど、悪意のクレームがあります。それについては毅然とした態度できっぱりと断ることが必要です。こうした悪意のクレームの発生率を下げることもできますが、この記事ではテーマにしていません。

 次に、明らかなミスで業社側が悪いクレームです。客の過失がほぼゼロで、こちらがほぼ100%悪い。白黒はっきりしているため、謝るのが当然のパターンです。これも、失敗したら謝るしかないので、この記事ではテーマにしません。

 しかし、3番目のクレームは違います。それは、… 続きを読む

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佐藤 昌弘/www.marketingtornado.co.jp

佐藤 昌弘/www.marketingtornado.co.jp

株式会社マーケティング・トルネード 代表取締役

個人事業者から上場企業までマーケティングとセールス分野のコンサルティングを提供する。著書は「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク」等で累計50万部を超え、講演や研修も多数こなす。

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