しくじりが成功を生む!失敗学のススメ(第2回)

うっかりミスは精神論ではなく創造的解決で無くす

2016.11.23 Wed連載バックナンバー

 失敗をしたとき、人は誰でも「しまった!」と思い、その次に「今度からは気をつけよう」と反省します。まったく自然な反応ですが、これでは、同じような状況におちいったときに似た失敗を繰り返す可能性を無くせません。

 なぜ人は「うっかりミス」を起こすのか、そのときにどう考えればその失敗に打ち勝てるかを解説します。

 

機械の誤作動は人の「うっかりミス」が原因です

 この世の中で、「うっかりミス」が起きないものは機械です。身近なものではコンピューター、携帯電話、スマートフォンを思い浮かべて下さい。コンピューターの誤動作でバンキングシステムや航空機の管制システムがダウンして大混乱というニュースを聞くことはありますが、それは機械が誤動作したのではなく、そのシステムを作った人が、誤動作をするようなロジックの弱点を作りこんでしまったのです。

 センサーも誤動作をするとよく言われます。しかし、それは誤動作をしたのではなく、そのセンサーに限界が作り込まれてしまったのであって、設計どおりの動作をしていたら、検出できない事象があったためです。

 人の意識は、事前に組み込まれたプログラミングを、精緻に繰り返すような機械のようにできていません。人の動作は機械的運動ではなく、人の意識や反射が働いた結果です。人は限られた情報から結果を予測し、よかれと思って行動をしますが、その予測が未熟だったり曖昧だと、うっかりミスという失敗をおかすことになります。

 

「うっかりミス」が大事故につながる現代社会

 現代の私たちは、機械をはじめとする人工物に囲まれて生きています。たとえば仕事のある1日は、マンションという大きな箱の中を仕切った小箱の中で目覚め、電気やガス機器を使って調理をしたものを飲食してエネルギー源とし、マンションの中を上下動するエレベーターで地上まで移動し、鉄道駅まで移動したら、プリペイドカードを遮断機にかざして入場、乗車して目的駅まで移動します。その後は仕事場を内包するビルに収まり、コンピューターの電源を入れ、マウスとキーボードというインターフェース機器を駆使して情報を操作します。

 設計という視点では、この人の動作を忘れがちです。図面やイラストを見ると、あたかも… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

飯野 謙次

飯野 謙次

NPO法人失敗学会 副会長・事務局長

サイドローズエルピー ゼネラルパートナー。東京大学工学系等安全衛生管理室 学術支援専門職員、消費者庁消費者安全調査委員会 臨時委員

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter