成長を左右する最も大切なたった一つの考え方(第1回)

成長する/しない人間の違いは「マインドセット」

2016.03.14 Mon連載バックナンバー

 企業の経営者やビジネスパーソンは、自社の業績向上や自分に対する評価、部下の成長、会社に対する貢献について頭を悩まさない日はないだろう。

 自分を含めて全社員が成長し、それにともない業績が向上すればこれほどありがたいことはない。しかし、実際にはどのような組織にも、成長できる人間とできない人間がいる。

 ここであらためて疑問に思うのは「なぜ、同じ業務をこなしても成長できる人と、できない人がいるのか」という点である。今回は、マインドセット(思考態度)の視点から、ビジネスパーソンの成長について考えてみたい。

 

なぜあの人は簡単に新しい注文を取ってくるのだろう?

 「彼女は、どうして、あんなに簡単に新しい注文を取ってくるのだろう?」「彼は、なぜ、あんなに斬新なアイデアを思いつくのだろう?」そんな風に感じる人がいたかと思えば、「彼女には、なぜ、こんな簡単なことができないのだろう?」「彼に、何度同じことを言えば、わかるのだろう?」と思わずにいられない人もいる。

 このように、できる人とできない人がいるのは、なぜなのだろうか。新卒や、未経験で、同時に仕事を始め、同じように仕事をしていても、いつの間にかその成長に大きな差がついてくる。この現象について、生まれ持った才能があるかどうかで片付けてしまう人も多いが、果たしてそうなのだろうか。

 スタンフォード大学心理学教授のキャロル・S・ドゥエックは、著書「マインドセット『やればできる!』の研究」で、20年にわたる研究から、成長できるかどうかは「マインドセット」にかかっていると結論づけている。マインドセットとは、習性となっているその人の考え方、思考態度のことだ。

 同著から、成長の鍵を握るこの「マインドセット」について、その定義を見ていこう。

 

運命を左右する考え方、二つのマインドセット

 成長する人と成長しない人、その個人差については2つの説がある。1つが、遺伝子などを根拠として「避けがたく変えようのないもの」とする考え方と、「生まれ育った環境や体験、教育および学習方法に起因する」とする考え方がある。ドゥエック教授によると、「どちらの説を信じるかによって、その後の人生に大きな開きがでてくる」のだという。

 一方は、「自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人」――「硬直マインドセット=fixed mindset」の人である。「知能も、人間的資質も、特性も一定で変化しえない」のだとしたら、誰しも、「このような基本的特性に欠陥があるとは、自分でも思いたくないし、人からも思われたくない」。だから、「ことあるごとに自分の知的能力や人間的資質を確認せずにはいられない」。それが「硬直マインドセット」の特徴である。

 対して、「人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念」を持った人――「しなやかマインドセット=growth mindset」の人は、… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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