「一流」になるためのビジネス理論(第7回)

ポジティブ思考をするビジネスマンは一流ではない

2016.06.21 Tue連載バックナンバー

 一般的に、「ネガティブ思考」よりも「ポジティブ思考」の方がいいという風潮があります。たしかに、ビジネスの場において、どんな嫌なことでも前向きに捉えて働くことで、いずれは成果が出る、というのは理想的かもしれません。

 目標に対して努力を続ける最中には、苦しいことや辛いことがあり、それらを乗り越えた先に成果があるのは確かです。目標を達成するために、途中の嫌なこともポジティブに考えてモチベーションを維持するのは、重要なメンタルサポートになります。

 しかし、抵抗を感じていることを無理やりポジティブに考えるというのは、自然な思考方法ではありません。本来ネガティブに感じることをポジティブに変換することは、脳や心に多大な負担を与えてしまうのです。

 それについてスポーツ心理学ドクターである辻秀一氏は、著書『なぜ、一流の人は「ポジティブ思考」をしないのか?』(PHP研究所)にて、 “ポジティブ思考至上主義”に現代人は疲れきっている、と指摘しています。そして、最高の能力を発揮するには、あくまで自然体であることが重要だと記述されています。

 人の脳はストレスを段階的に処理するための能力を備えており、それを上手く活用すれば自分の感覚を無理やり曲げる必要はなくなるそうです。一流の人はこの能力を駆使しているからこそ、他人よりもよいパフォーマンスを発揮できるといいます。

 今回は本書の内容に沿って、一流の人がなぜポジティブ思考をしないのか、ポジティブ思考がもたらすデメリットについて解説します。

 

ポジティブ思考には限界がある

 本書では、やみくもなポジティブ思考は意味がないと断言する一方で、最高のパフォーマンスを発揮するには心の状態を整えることが重要だとも記述されています。つまり“ポジティブに考えなければならない”“苦しさのあとには必ずいいことがある”といった、根拠のない縛りで思考を騙すのではなく、意味や理由、目的を明確にした自主的な行動が大切なのです。

 努力は人が成長するためには必要不可欠な要素ですが、間違った方法で努力をしても目標は達成できません。そのため、間違った方法の努力の過程で経験した苦痛や辛さも無意味ということになります。間違った努力を無理やりポジティブ思考で続けても、… 続きを読む

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鮎川 大

鮎川 大

フリーライター

関西で活動する営業出身のフリーライター兼ディレクター。ビジネス系のコンテンツを中心に、医療・ファッション・食品・HPのトップページなど幅広い分野に精通。またサイトの運営・管理から外注のディレクションまで一貫して請け負い、コミュニケーションを重視するのが特徴。http://writer-d.com/

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