人材を活かす脳科学と心理学(第1回)

“コストゼロ”で部下のやる気を引き出す方法

2015.08.10 Mon連載バックナンバー

 「普通の従業員」と「やる気のある従業員」、どちらがビジネスに貢献するかと言われれば、当然やる気のある従業員である。とはいえ、その従業員が常にやる気に満ちあふれている状況であるわけはなく、落ち込んでしまいやる気が出ない時もある。

 そんな従業員に対し、「頑張れ!」や「限界を超えろ!」などの精神論をぶつけるリーダーもいたかもしれないが、そんなことをしても従業員が疲弊するだけ。ブラック企業が叩かれコンプライアンスが重要視される現代に適したやり方ではない。

 ではどうやって従業員のやる気を引き出せば良いのか? ポイントとなるのが、「脳」をうまく活用することだ。今回は、ビジネスリーダーが手軽に実践できる、「脳」を使った従業員のやる気を引き出す方法を紹介する。

 

脳を“やる気を生み出しやすい状態”にするためには?

 「やる気」はビジネスの成否を決める大きな要素だ。結果が出ず辛いとき、あと一息頑張れば成功に近づけるという状況のとき、やる気がその後を大きく左右するということが少なくない。

 やる気というのは「脳」が与える信号のひとつ。脳という臓器が、“やる気を生み出しやすい状態”になっている際に、適切な刺激があることで、「しんどいけど頑張ろう!」「リスクはあるが積極的にチャレンジしてみよう」といった思考が脳内で生まれる。

 つまり、脳が“やる気を生み出しやすい状態”になっている時間帯が多いことが、やる気を引き出すための重要なポイントとなるのだ。

 脳が“やる気を生み出しやすい状態”になっている際、脳内では複数の神経伝達物質が分泌されている。たとえば「ノルアドレナリン」。これは集中力や判断力を向上させ、苦痛に対する耐性を高める。また「セロトニン」には興奮を沈めてストレスへの耐性を高め、自律神経を整える作用がある。

 もっともやる気と直結するのが「ドーパミン」だ。主に脳幹部で生成されるドーパミンには、快楽を司る働きがあり、達成感などの幸福感が脳内に伝達された時に、大量に分泌される。この状態は「やる気が醸成される」とも言い換えれられる。つまり、仕事によりドーパミンが大量に分泌される環境を整えられれば、やる気を起こしやすい脳内状態、すなわち「やる気脳」を作ることができるのだ。

 

お金を貰うよりも、仲間から称賛を受ける方がやる気が出る

 「やる気脳」の作り方はわかったが、実際にビジネスシーンで「やる気脳」を役立てるには、どのようにすれば良いのか。そのポイントは「強化」にある。… 続きを読む

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谷垣 吉彦/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

谷垣 吉彦/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

フリーランスライター

アダルト層向け商品の販促プランニングや、経営・医療系書籍の企画・立案・執筆など、幅広い分野でライターとして活動する。大阪ミレニアムミステリー賞を受賞するなど、エンターテイメント分野での実績も評価されている。

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