桜子が聞く!先駆者たちのワーク・ライフ・バランス(第8回)

ネットイヤーを率いる女性社長の仕事と家庭の両立法

2016.02.22 Mon連載バックナンバー

 本連載「桜子が聞く!先駆者たちのワーク・ライフ・バランス」も8回目を迎え、次回はどこへ行こうと考えていると、女性経営者として有名な ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長兼CEOの石黒不二代氏はどうか、と知人から提案を受けた。同社は、昨年セブン&アイ・ホールディングスのリアル店舗とネットを融合したオムニチャネル「omni7(オムニ セブン) 」をオムニチャネル推進プロジェクトメンバーの一員として構築支援をしたことで知られるデジタルマーケティング企業だ。

 石黒さんと言えば、個人的な話だが8年前に女性誌「日経ウーマン」(日経BP社)が選ぶ「日経ウーマンオブザイヤー」のパーティーでお目にかかったことがあった。リーダー部門で第一位を受賞した彼女はいかにも“デキそう(な人)”だったが、同時に少し近寄りがたく、怖そうな印象を私は勝手に抱いていた。

 彼女は実際どんな人だろう。当時の記憶を胸に恐る恐るネットイヤーグループを訪問してみると……。

 

パワフルで華麗な石黒不二代のビジネスキャリア

 ガラス張りの社長室から、にこやかに社長が出てきた。明るく、気取った雰囲気がない。激務による疲れがないかと懸念していたが、社長はまるでインタビューを楽しみにするかのように軽やかだ。なんだか想像と違う。こんなタイプなのか?!

桜子「話しかけづらい方だろう、と思っていたのですが……」

石黒「いや、ぜんぜん(そんなことない)」

 どうやら私は、彼女のクールビューティな外見で勝手に判断していたらしい。石黒は気さくだった。

 愛知県生まれの石黒は、経営者の父と家庭的な母と弟の4人家族で育った。父は自分のことは自分で考えろというタイプで、自然と彼女は決断力を身に着けるようになった。

 幼少期はおとなしく内向的な性格だったという。小学校では学級委員を務めたが、これはたまたま先生に指名されたから。「リーダーになりたいと思ったことは一度もない」と語る石黒だが、小学1年の作文には「将来はハーバード大学に行って、世界を飛び回りたい」とリーダーの資質を伺わせる文面を既に書いていた。小学生でハーバードを目指すって、すごくないか!?

 彼女は順調な学生生活の後、名古屋大学経済学部へ進学する。卒業時の1980年は男女雇用機会均等法の試行前で、就職口がなかった。そのためリクルートで9ヵ月バイトの後、ミシンやプリンタ、FAXで有名なブラザー工業の募集を見つけ、応募した。当時から海外の売上げ比率が9割を超える製造業で、海外向けのプリンタビジネスのマーケティングや営業を担当した。

 そして29歳で結婚し、1988年オーストリアに本社を構えるクリスタルの製造会社、スワロフスキーの日本法人に転職する。しかし、出産を機に育児と仕事の壁にぶつかった。保育園が見つからない。生活拠点をアメリカに変えれば子育てと仕事の両立ができるはず、とMBA取得を目指し、留学を決意。ビジネススクールへ入学するために受験勉強を始めた。当時の日本女性は出産後は家庭に入るのが常という中で、石黒の働き続けた姿勢はもちろん、産後にキャリアアップを図るとは、なんとも非凡な選択である。

桜子「仕事を辞めようと思ったことはないんですか?」… 続きを読む

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元電通の文筆家兼コンサルタント、山口周の仕事術
桜子

桜子

ライター

渋谷区在住。通信会社に勤務する傍ら、働く女子の立場からWebメディアのメルマガを書き始め、IT業界の著名人にインタビューを重ねて話題となる。その後、日経ウーマンやアスキー等での連載を経て、2011年、出産を機に育児に専念。2014年4月に職場復帰し、子育てと仕事の心地良いバランスを模索中。(VIVA!桜子の超気まま渋谷/代官山・子育て日記:http://sakurako.cc/friends)

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