桜子が聞く!先駆者たちのワーク・ライフ・バランス(第19回)

さくらインターネット代表、田中邦裕の働き方改革

2017.09.29 Fri連載バックナンバー

 今年に入って「働き方改革」を耳にする機会が増えた。長時間労働、モーレツ社員は、もはや昭和の死語なのか?! 従業員の過労死で話題になった某企業を筆頭に、企業は続々と労務を見直し始めている。

 そんな中で、これ以上の厚遇はないと筆者が感じるのが、今回紹介するIT企業のさくらインターネット(以下、さくらと略)だ。同社では、社員の誰もが時短勤務や在宅勤務が可能で、勤務場所を日によって自由に変えられるほか、事実婚や同性婚にも理解を示して特別休暇や手当を支給するなど、社員の働きやすさを徹底的に追求している。

 社長の田中邦裕(39歳)は、高校生で自前サーバーを作ったことを機に18歳で起業した。かつては働き蜂で、「徹夜してから僕のところへ来いや~!」と休みを欲しがる社員に激昂していたという。いったいどんな心境の変化があったのか。

 

成長する企業の社員たちの共通点は何か?!

 事前にネットで田中を見て驚いた。誠実そうで、めちゃくちゃいい顔つきだ。TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の撮影現場にもなった東京支社に行き、実際に顔を合わせてみても、その印象は裏切られなかった。

桜子「13時過ぎですけど、お昼は召し上がられました?」

田中「はい、食べました。美味しく」

 プッ(笑)。最後の一言が可笑しかった。リラックスしている。あとで分かったが、田中は私との対談を楽しみにしていた。誰かと話すと、考えがまとまるので自分のためになるという。

 さくらは、96年に創業したホスティングサーバの提供を行う国内最大手の東証一部上場企業で、現在約400名を有する。11年に北海道の石狩に巨大なデータセンターを建設し、昨年は福岡にオフィスを開設した。

田中「モノの投資を6年前、ヒトの投資を3、4年前から取り組み始めたんです。社内に欲しい最低必要数は何人か。働き方も真面目に考えようと昨年、役員と人事部が人事戦略について議論する場を、社内公開形式で行ったんです」

 田中自身は自由な社風を好んだが、それまでのさくらは業務の拡大に伴って社員が急増した時期があったため、予期せぬ行動――たとえば自社の悪口を書き込む社員等の出現で、やむなく管理を厳しくした背景があった。その体制をそのまま維持するか、あるいは今の社員にそんな者はいないと信じ、管理を緩やかにするか。議論した結果、社員を信頼する、という考え方で、役員も人事部も一致したという。

桜子「管理するか、しないかは大きな違いですよね。何が決め手でしたか?」

 出身地の大阪なまりで、田中は答えた。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

さくらインターネット代表、田中邦裕の働き方改革
桜子

桜子

ライター

渋谷区在住。通信会社に勤務する傍ら、働く女子の立場からWebメディアのメルマガを書き始め、IT業界の著名人にインタビューを重ねて話題となる。その後、日経ウーマンやアスキー等での連載を経て、2011年、出産を機に育児に専念。2014年4月に職場復帰し、子育てと仕事の心地良いバランスを模索中。(VIVA!桜子の超気まま渋谷/代官山・子育て日記:http://sakurako.cc/friends)

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter