桜子が聞く!先駆者たちのワーク・ライフ・バランス(第17回)

元電通の文筆家兼コンサルタント、山口周の仕事術

2017.02.27 Mon連載バックナンバー

 これまで多くの「先駆者」と呼ばれる人たちにワーク・ライフ・バランスの取材をし、筆者が痛感したことは、彼らが当然ながらその道でどっぷりで働いてきた、という事実だ。つまり、ワーク(仕事)に打ち込んだ時間の分、ライフ(プライベート)は減る。これは仕方のないことだ。

 ならば、被雇用者なら、ライフの充実は図りやすいだろうか。私たちの参考になりそうな、現役サラリーマンで、社会的地位と生活の豊かさを共に手に入れている40代を探し出した。

 昨年10月に「トップ1%に上り詰めたいなら、20代は“残業”するな」(大和出版刊)を上梓した山口周(46歳)は、電通、ボストン・コンサルティンググループ(以下、BCGと略)等の一流企業を出て、現在、外資系企業のコーン・フェリー・ヘイグループで経営コンサルタントとして活躍する傍ら、本を続々と出版する三児の父だ。

 彼は、葉山の海でボディーボードを楽しんで東京へ出勤すると、夜には自宅の薪ストーブを愛でるという、都心と郊外を享受するライフスタイルを送る。いったいどうやって、今の生活を手に入れたのか。

 

魔がさして、葉山にきてしまった!!

 私は山口の電通時代を知っている。とはいえ、この5年間は音信不通になっていて、連絡を取るのに苦労した。書店に並ぶ本で、彼の近況を知った。久しぶりに会ってみると、彼はナチュラリストに転向したのか、僧侶みたいな頭になっていた。

桜子「山口さんの今の暮らしは理想的ですね。“この生活を手に入れた”という実感はありますか」

山口「あります」(きっぱり)

桜子「おおっ、期待に応えてくれますね!ちなみに一日の平均的な過ごし方は?」

山口「うまくいったと思える日は、朝4時起床。物書きをして7時に子供たちと朝食をとり、仕事の後は18時帰宅。家族と夕食をとったら21時に就寝」

桜子「21時?!そんな生活を意識し始めたのはいつですか?」

山口「10年ぐらい前です」

 当時は30代半ばで、BCGにて毎晩帰りは午前様だった。一日の平均睡眠は3、4時間という中で初の新書「グーグルに勝つ広告モデル」を出版した。

桜子「山口さんは激務から、“こうなりたい自分”を描き、今のスタイルに落ち着いたのですね」

山口「いや、それは全然、違います」(きっぱり)

 「えっ、そうなの?!」私は驚きのあまり、身を乗り出した。

桜子「葉山に一昨年引っ越した理由は?」

山口「魔がさした。そうとしか言いようがない」(きっぱり)

 ひえ~。それはなんだか、私の想定する返事とは違う!意識したというのはどういう意味だったのか。

 

六本木のヒルズ族みたいなのがホントは好き

山口「人間は複雑なもので、今日と明日では思うことが変わる。たとえば睡眠が3時間でストレスフルでも年収1億円と、週末に子どもと過ごせるけれど年収1,000万。どちらの暮らしが良いか」

 1,000万なら悪くないと私は思ったが、山口の理想は違った。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

息子は全員Jリーガー!元野球選手、高木豊の生き方
桜子

桜子

ライター

渋谷区在住。通信会社に勤務する傍ら、働く女子の立場からWebメディアのメルマガを書き始め、IT業界の著名人にインタビューを重ねて話題となる。その後、日経ウーマンやアスキー等での連載を経て、2011年、出産を機に育児に専念。2014年4月に職場復帰し、子育てと仕事の心地良いバランスを模索中。(VIVA!桜子の超気まま渋谷/代官山・子育て日記:http://sakurako.cc/friends)

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter