桜子が聞く!先駆者たちのワーク・ライフ・バランス(第15回)

“イッテQ”の天国じじい、登山家・貫田宗男の仕事術

2016.09.20 Tue連載バックナンバー

 数年前、友人から「桜子の叔父さんがテレビに出てるよ!」と言われてチャンネルを合わせたところ、画面いっぱいに貫田宗男(65歳)が“天国じじい”の説明入りで映っていた。

 調べてみると、叔父は日本テレビのバラエティ番組「世界の果てまでイッテQ!」(以下、イッテQ)の登山企画で、2009年からお笑い芸人のイモトアヤコらを率いる登山部の顧問を務めていた。確かに叔父は登山家で、遠征登山ガイドを務めるが、それにしても、なぜ、天国じじい?!あんまりな愛称だ(理由は後述)。

 バラエティ番組とはいえ、タレントが身体を張り、世界有数の山に挑戦する企画の裏方の仕事は、決して楽ではない。スタッフはもちろん、自らにも身の危険が及ぶ可能性はいつもある。今回は画面には映らない貫田自身の話を聞いた。

 

イモトに会って人生は変わったか?!

桜子「じゃーん!今日は著書『二人のチョモランマ-中年サラリーマン登山隊8848mに挑む』を持ってきました」

貫田「大昔の話ですね。その本は1万部しか刷らなかったから、もう絶版です」

 貫田は40歳のとき、山と渓谷社(出版社)に依頼され、本を上梓した。同書は、彼が会社員時代に仲間と“たった二人”(当時日本最小単位)で世界最高峰チョモランマ(注1)に4度目の挑戦をもって登頂成功した記録で、下山直後に仲間を失った哀惜の本でもある。

注1:エベレスト。中国側から登った場合、チョモランマ(Chomolungma)と呼ぶ。

桜子「叔父さんはサラリーマン時代に登りましたが、今の肩書は?」

貫田「何もないですよ、ハハ。年金生活者」

桜子「でも、日テレ登山部の名刺を持っているんでしょ?」

貫田「もってない、もってない(笑)」

 貫田は現在、日本山岳協会の国際委員会常任委員で、95年に自身が興した株式会社ウェックトレックの顧問を務める。代表は5年前に降りた。退任した理由については、以前、自分が居なくなることで会社の運転資金が廻れば良いと語っていた。昔から、金銭欲や物欲がなく、自己顕示欲がない。テレビに映ってはいるものの、本来は目立つことが苦手だ。

桜子「なんで、天国じじい、って呼ばれているの?」

貫田「マナスル山で、隣のテントのイモトさんがあんなに寒がって苦しんでいるとは、知らなかったんだよね。景色も良かったから、『天国だよ』って言ったら、そうなっちゃった」

桜子「イモトさんに出会って、ズバリ人生が変わった?」… 続きを読む

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元電通の文筆家兼コンサルタント、山口周の仕事術
桜子

桜子

ライター

渋谷区在住。通信会社に勤務する傍ら、働く女子の立場からWebメディアのメルマガを書き始め、IT業界の著名人にインタビューを重ねて話題となる。その後、日経ウーマンやアスキー等での連載を経て、2011年、出産を機に育児に専念。2014年4月に職場復帰し、子育てと仕事の心地良いバランスを模索中。(VIVA!桜子の超気まま渋谷/代官山・子育て日記:http://sakurako.cc/friends)

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