ビジネスの局面で使える知識、使えない知識(第3回)

結果をほめる?過程をほめる?ほめて育てる人心掌握術

2015.06.04 Thu連載バックナンバー

 こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの横山です。「ビジネスの局面で使える知識、使えない知識」の第3回目は、部下の人心掌握術についてのお話です。

 会社や事業は、利益を出してこそ、継続し発展することができます。だから、仕事は「結果が全て」。これは疑いようのない事実です。

 しかし、部下への接し方も、「結果が全て」になってしまってはいませんか?

 

会社の利益は誰が生みだしていますか?

 「パレートの法則」というものを聞いたことがありますか?

 これは、イタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートが発見した経験則です。経済では「あるものの大部分は、それを構成する一部の要素が生みだしている」というもので、「80対20の法則」、「ニハチの法則」などという名前でも知られています。

 パレートの法則を引用してよく語られるのが、「会社の売上の8割は、2割の従業員が生みだしている」ということ。

 確かに、数人の優秀な営業担当者がかなりの売上を計上していることでしょう。しかし、だからといって、2割の売上しか生みださない8割の従業員は重要ではない存在なのでしょうか?

 そんなはずはありません。

 売上の少ない営業担当者は、事務作業を通して、優秀な営業担当者のサポートをしているでしょう。また、営業担当者以外の従業員は、物流、経理、開発など、数字には表れない縁の下の力持ちです。

 彼らなくして会社は立ち行かないのです。

 会社を強くするためには、「8割」にあたる彼らを成長させることが必要不可欠なのですが、どのように指導していけばいいのでしょうか。その答えは、叱ることとほめることのバランスをとることです。

 

叱るだけでなく、ほめて育てる

 近年、「叱れない上司」という言葉をよく耳にするようになりました。

 厳しく叱られて育った世代が上司に、厳しく育てられてはいない世代が部下となり、「叱り方のギャップ」に戸惑い、多くの上司が部下への指導をできなくなっているからのようです。

 しかし、だからといって叱ってはいけないのではありません。ほとんどの人は、「間違ったことがあれば指導して欲しい」と感じているのです。誰しも、今日の自分よりも立派に成長したいと思い、仕事に励んでいます。だからこそ、間違ったことがあれば、適切に叱らなければなりません。

 とはいえ、ただ叱りつけるだけではいけません。

 昔と違って、今の若い人たちは、厳しく叱られるという経験が極端に少なくなっています。学校や家庭でもあまり厳しくされず、子供同士のコミュニティでも上下関係が希薄だからです。

 叱りつづけていれば、どんどん委縮し、最後には退職してしまうかもしれません。

 そこで重要なのが、「ほめる」ことです。ほめることでモチベーションの低下を防ぐことができ、叱って指導する効果を何倍にも引き上げることができるのです。

 

「叱る=怒る」ではない

 ほめることで叱る効果は大きくなりますが、叱り方、ほめ方には注意が必要です。まずは、どのように叱ればいいのかを考えてみましょう。

 多くの人が勘違いをしているのですが、「叱る」ことと「怒る」ことはまったくの別物です。… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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