ビジネスの局面で使える知識、使えない知識(第1回)

「自己資本比率が高ければ倒産しない」は本当か?

2015.03.11 Wed連載バックナンバー

 みなさん、はじめまして。ファイナンシャル・プランナーの横山と申します。本連載では、会社経営のサポート経験を活かした、「ビジネスの局面で使える知識、使えない知識」をお送りさせていただきたいと思います。

 第1回は、「自己資本比率が高ければ倒産しない」ということが本当なのか、お話しします。

 

自己資本比率は、会社に最低限必要な「持久力」

 「自己資本比率が高ければ倒産しない」

 これは、経営者にとっては常識と言える、堅実経営のための大原則です。自己資本比率とは、会社が固有に持つ資産のこと。この数値が高いほど負債が少なく、低いほど借金が多いということになります。実際、「決算ごとに自己資本比率を確認している」、「取引先の与信調査をする時は、自己資本比率を重視している」という人も多いでしょう。

 にもかかわらず、自己資本比率が高くして倒産してしまう企業は出てきます。それはどうしてなのでしょうか?

 その答えは、“自己資本が高いから大丈夫だ”という暗示に掛かってしまうからです。

 会社経営は「終わりのないマラソン」のようなものです。そのマラソンに必要な持久力が、自己資本比率です。

 新しいヒット商品が生まれない、他社に少しずつシェアを奪われてきているというようなことがあると、経営状態は少しずつ悪くなっていきます。しかし、自己資本比率が高い会社は、資金に余裕があるので、借入金の返済などに窮する可能性は低く、すぐには倒産しません。多少険しい道でも、持久力があれば着実に前へと走り続けることができるのです。

 しかし、会社経営はただのマラソンではありません。走るコースは道路ではなく、サバンナです。突然、猛獣に追いかけられて、全力で逃げなくてはならない場面もあるのです。

 たとえばある日突然、一番の得意先が倒産してしまうとどうなるでしょう。買掛金や賃金といった日々の支払いをなんとかこなし、迫りくる倒産という猛獣から逃れなければなりません。猛獣を振り切るためには、短距離走のように全力で走るしかありません。

 このように、会社を永く存続させるためには、マラソンをこなせる持久力があることが最低条件ですが、いざという時にはいつでもスパートできる瞬発力をも兼ね備えていなければならないのです。

 

会社にとっての「瞬発力」とは?

 それでは、いざという時でも倒産しない「瞬発力」とは、一体どんなものでしょうか。

 本来は詳しい経営分析が必要ですが、ここでは会社の瞬発力を見極められる簡単な指標として、「固定比率」・「固定長期適合率」・「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の3つを紹介します。… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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