成功者の生き方から学ぶ人生のヒント(第8回)

松山英樹~日本ツアーと自ら決別したのは正しい決断

2015.02.12 Thu連載バックナンバー

 新年早々のスポーツ紙で、プロゴルファーの松山英樹選手が、2015年に開催される日本国内の大会で自分の出たい試合に自動的に出場できる『国内シード権』を放棄して、米国ツアーに専念することが報じられました。

 シード権を辞退した理由は、海外を主戦場とする選手の国内での出場義務試合数が、日本ゴルフツアー機構(JGTO)によって突然変更され、罰則においても機構側の思惑でコロコロと変わっていったからです。

 松山選手はJGTOと自ら決別した形になったわけですが、ビジネスにおいて難しいことのひとつがお得意さまとの取引きを自分からご破算にすることです。理不尽な要求をしてくるお得意さまに対して、「そこまで言うのなら、こちらから断ってやる」と思うことがあっても、現実にはお得意さまからの仕事を永遠に受けないという覚悟ができないものです。

 今回は松山選手を例に挙げて、ビジネスにおいては「理不尽な関係に今後も甘んじるのか」それとも「理不尽な関係を断ち切って新たな道を進むのか」の決断をすることがあること、そして自分から関係を断つことで新たな道が開けてくることをお話ししていきます。

 

日本復帰という退路を断ったことはプラスになるはず

 前述のとおり、松山選手が国内シード権を辞退した背景にはJGTOの度重なる規定変更がありました。

 2013年までは、日本で賞金王となり国内の5年シード権を手に入れた選手は、海外ツアー挑戦の初年度は日本での出場義務試合数がゼロと定められていました。そして2013年に日本の賞金王となった松山選手は、2014年は日本の試合に出場せず米国ツアーに専念できるという権利を得たはずでした。

 しかし、米国ツアー開幕後の昨年3月になって急遽5試合の出場が義務付けられ、出場試合数をクリアできない場合は翌年の日本での出場資格を停止すると定められたのです。

 日本のプロゴルフ界は人気選手の海外ツアーへの参戦が相次いでいることで、大会のスポンサーを確保しにくくなったという現状があります。

 JGTOでは、国内の大会に人気選手を出場させなければ大会スポンサーが付かないという思いから、海外を主戦場とする日本選手に対して日本での出場義務を課し、違反した選手への罰則を設けたわけです。JGTOとしては、日本ツアーの出場資格を失ってまで海外ツアーに専念する選手はいないと思ったのかもしれません。

 2014年シーズンに日本で2試合しか出場できなかった松山選手は罰則を受けることになります。そして松山選手も罰則に従う意向を示します。

 一方で松山選手への罰則が報じられるようになると、… 続きを読む

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南 武志

南 武志

フリーランサー

広告代理店、PR会社での勤務を経て、広告業界専業のヘッドハンターとして9年間活動。20代から50代までの数多くの転職希望者と本音で語り合った経験を元に、若き組織人への提言をまとめる。

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