成功者の生き方から学ぶ人生のヒント(第2回)

天野浩さんのノーベル賞受賞で思う“運こそが実力”

2014.12.08 Mon連載バックナンバー

 “運も実力のうち”という言葉を聞かれたことがあることでしょう。長い人生では運によって好転することもあれば暗転することもありますので、この格言は決して間違いではありませんが、正確には少し違うような気がします。

 私は“運も実力のうち”なのではなく“運こそが実力”なのだと思っています。つまり運とは実力がある人に来るのだということです。

 ノーベル物理学賞に輝いた天野浩さんは、実験用の炉の温度が上がらなかった時に、炉を調節したり修理したりしないで、低い温度のままで実験を行ったことが成功に繋がったと聞きます。今回は“運こそが実力”なのだということを、天野さんを例にお話ししていきましょう。

 

私はビギナーズラックですから…(by天野浩)

 2014年のノーベル物理学賞に輝いた天野浩さんは、その謙虚な受け答えから、あっという間に時の人となりました。見るからに人の良さそうな笑顔からは、20世紀中の開発は不可能と言われていた青色発光ダイオード(以下:青色LED)の開発者とは思えないくらいです。

 今回の受賞によって、炉の温度が上がらない状態のままで実験を行ったことが成功に繋がったという、青色LEDの開発経緯が大きく報道されました。天野さんが24歳の時のエピソードです。本人はテレビのインタビューで「偶然が気付かせてくれた」と語っています。また、別の取材では自身の歴史的偉業を「ビギナーズラックですから…」とコメントしています。

 天野さんの研究室の学生達によると、天野さんが怒っているのを見たことがないとのこと。生来のおっとりとした性格なのでしょう。自分の実験用器材が思うように起動しない時、ネガティブな人であれば研究室の誰かが何かしたのではないかと疑うかもしれません。また、短気な人であればメーカーに抗議の電話をするかもしれません。

 インタビューでの受け答えの中で、天野さんは炉の温度が上がらなかった時に閃いたと語っていますが、彼が柔和な性格だったからこそ、機材のトラブルが発生した時でもパニックに陥ることなく冷静に対処できたのではないかと思えます。

 世界中の研究者の中には、「自分の実験用の炉も故障してくれればよかったのに…」とか、天野さんの成功を「たまたま発明できただけじゃないか…」と思っている人もいることでしょう。また、天野さんと同じように炉の温度が上がらない時に、実験を止めてしまった人もいるかもしれません。

 このように考えてみると、まさに“運こそが実力”と言えるのではないでしょうか。

 

運の良い人は、運が転がってくる所にいたということ… 続きを読む

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南 武志

南 武志

フリーランサー

広告代理店、PR会社での勤務を経て、広告業界専業のヘッドハンターとして9年間活動。20代から50代までの数多くの転職希望者と本音で語り合った経験を元に、若き組織人への提言をまとめる。

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