成功者の生き方から学ぶ人生のヒント(第15回)

ハリルホジッチ~日本を職場に選んだ卓越した分析力

2015.05.08 Fri連載バックナンバー

 サッカー日本代表の新監督に就任したバヒド・ハリルホジッチ氏。3月に行なわれた親善試合2試合を2対0、5対1で快勝したこともあって、サポーターの間では新監督への期待が高まっているようです。素人の私から見ても彼の厳格な気質は日本人に合っているように思えます。また公平性を重んじる選手起用は日本人が受容しやすいものです。

 アギーレ前監督の解任から1か月余りという短い選考期間にもかかわらず、日本サッカー界は最高の人材を手に入れたと言えるかもしれません。今回の就任は、2014年のW杯後にトルコのクラブチームの監督に就任していたハリルホジッチ氏が、チームの会長とのビジョンが合わず契約が途中解除されていたことから生まれたご縁です。

 日本の転職業界では転職先の会社との相性が合わない、いわゆるミスマッチが大きな問題となっており、特に管理職の転職においてミスマッチが多く見られます。そして新しい会社と相性が合わないことで自分のやり方を見失う人もいます。今回はハリルホジッチ新監督を例に挙げて、管理職として転職する際の留意点について述べていきたいと思います。

 

日本代表に合致することを予感させる2試合

 バヒド・ハリルホジッチ氏は1952年に旧ユーゴスラビア(ボスニア・ヘルツェゴビナ)で生まれました。現役時代はフォワードとして活躍し1982年のスペインW杯にユーゴ代表として出場しました。引退後は母国のクラブチームで監督を務めましたが、ボスニア紛争時に自宅前の路上で銃撃戦に巻き込まれ重傷を負ったことを契機に、フランスへと移住します。

 その後はフランスのリールで指揮を執り同国の年間最優秀監督に選ばれるなど、指導者としての手腕を発揮していきます。そして2014年のブラジルW杯ではアルジェリア代表を率いて同国を初の決勝トーナメントに導きました。

 今回、ハリルホジッチ氏に日本サッカー協会がオファーを出した時には、彼の元には世界各国からいくつものオファーが届いていたと聞きます。そして複数のオファーの中から彼は日本代表監督というポジションを選びました。

 ハリルホジッチ氏は就任会見で次のように述べています。

「日本代表監督を引き受ける理由は、私のメンタリティを日本人選手も持っていると思ったからです。彼らは私と同じ気持ちで働くことができます。また彼らは厳しさ、規律、尊敬、真面目といったサッカーにとって大事なものを兼ね備えていると思います。」

 テレビのニュース番組のスポーツコーナーで新生ハリルジャパンの練習風景が放送された時に、集合合図が掛かった選手たちが駆け足で監督の下に集まるシーンが紹介され、ハリルジャパンに導入された厳格なルールのひとつだと解説されていました。指揮官の元に駆け足で集まることは、日本人なら普通に受け入れることのできるルールです。

 

選手起用の公平さが選手のモチベーションを高める

 現役時代のハリルホジッチ氏は、W杯直前にビッグクラブによる理不尽な現場介入によって控えに回された経験をしています。このことから選手起用の際には誰も傷付けることがないよう注意を払っていると語っていますが、新監督の公平性が示されたシーンが3月の親善試合で見られました。… 続きを読む

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南 武志

南 武志

フリーランサー

広告代理店、PR会社での勤務を経て、広告業界専業のヘッドハンターとして9年間活動。20代から50代までの数多くの転職希望者と本音で語り合った経験を元に、若き組織人への提言をまとめる。

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