他社の一歩先をいく!戦略的プレゼンテーション講座(第1回)

なぜジョブズのプレゼンを真似すると失敗するのか?

2014.11.12 Wed連載バックナンバー

 いかに良い商品を作ろうが、よい提案を顧客のために考えようが、受け手に伝わらなければ意味がありません。そう、受け手に伝わらない価値は、無いのと一緒なのです。そして多くの企業が、価値の伝え方を間違っているせいで本来得られたはずの利益を手放しています。それって、もったいないことだと思いませんか?

 本連載では、組織が本来得られるべき評価と報酬を手にするために、価値を目減りさせずに伝えきるプレゼンテーション技術について明らかにしていきます。

 第1回目では、多くの人が誤解するプレゼンテーションのミスについてお伝えしていきます。そもそも、プレゼンがうまいとは、どういうことなのでしょうか?

 

ジョブズのプレゼンは日本人がマネてもうまくいかない?

 カリスマプレゼンターといえば真っ先に名前があがるのがスティーブ・ジョブズの名前。彼がアップルのCEOだったとき、彼のプレゼンを聞きたいがために大勢の人たちが行列をつくりました。彼の言葉はプレゼンの翌日にはマスコミの力で世間に伝播し、ムーブメントにつながっていく。アップルの躍進の背景に、ジョブズのプレゼン力があったことは間違いないことでしょう。

 そして多くの人が彼のプレゼンに魅入られ「私も同じようなプレゼンをやりたい!」と意気込みます。そして実行に移したりするのですが……。やった結果は、必ずしも良い方向に進むとは限りません。

 以下はAさんに起こった話です。

 Aさんは多くの人がジョブズのプレゼンをすごいと評しているのを耳にして、同じようなプレゼンをしようと試みました。客先への提案プレゼンのとき、ジョブズがするように極限までシンプルなスライドをつくり、文字を詰め込むのをやめました。また会場を縦横無尽に歩き回りながら、堂々としたボディ・ランゲージで話すようにしました。

 その結果は、惨敗。Aさんは顧客から「資料がシンプルすぎて、上司に説明するときにわかりにくい」といわれてしまいました。またプレゼンがおわった直後には、同行していた部下から「ちょっと偉そうすぎたんじゃないですか?」と不安そうに言われてしまう始末です。これを受けてAさんは思いました。「やっぱりジョブズのプレゼンは日本では馴染まないのかな……」

 そう考えて萎えてしまう気持ちはわかりますが、私には「そもそも、マネるポイントがズレている」と見えてしまうのです。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

野村 尚義

野村 尚義

マーキュリッチ(株)取締役/価値の言語化コンサルタント

経営者や上級管理職など、語る言葉で業績を左右するエグゼクティブを中心に、自社が選ばれるためのプレゼンテーションを指導している。これまで14,000人を指導し、クライアントの戦略的スピーチづくり、顧客獲得セミナーづくりに貢献。著書に「これだけ!プレゼンの本質」など2冊。神戸大学理学部数学科卒。http://www.strategic-presentation.com/

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter