ホテル評論家・瀧澤信秋の「出張するならこのホテル!」(第5回)

ホテルで密かなブーム「異色コンセプトルーム」とは

2015.01.15 Thu連載バックナンバー

 コンセプトルームとは、新設・リニューアル・リファイン等により、何らかのコンセプトを持たせたホテルの客室のことである。そんな異色の客室が密かなブームになっている。

 

コンセプトルーム/コラボルームとは?

 コンセプトルームの傾向は2000年前後から目立ちはじめ、ホテルだけに眠りをコンセプトにした客室を設けるホテルや、アートや自然、ロハスなどさまざまなコンセプトを持たせた客室が次々と誕生して人気を博してきた。

 コンセプトルーム誕生の背景にあるのはホテル業界の業態変化だ。ホテル業界はしばらくの間、高級とリーズナブルの二極化が進んできたが、その中間ともいえる、ラグジュアリーなだけでも、眠るだけでもない、ホテル全体にさまざまなコンセプトを持たせたホテルが多数オープンしている。コンセプトなきホテルは生き残れないホテル戦国時代とも言えそうだが、そのような状況での異色コラボ・コンセプトルームは苦肉のアイディアといった感もあり、ホテル内の一部客室におけるひとつの現象でもある。

 また、コンセプトルームに加え「コラボルーム」と言われる客室もある。これは、ホテルと企業などが連携し、新規顧客開拓を狙うホテル側と、消費者が商品に触れる場を作りたい企業側とのニーズが合致し実現した客室のことで、たとえばホテル阪急インターナショナルにある、客室内にパナソニックの最新家電を揃えた「パナソニックコラボルーム」などは有名。

 

ゲゲゲの鬼太郎から機動戦士ガンダムまで!

 異色のコンセプトルームやコラボルームは、客室に特別感を持たせることで話題性が生まれ、客室料金は高額設定であるのに連日満室となる上、ホテルの宣伝効果に資することにもなる。また、キャラクターやアニメなどの世界をコンセプトにすることで、家族連れの集客が見込まれ、長きにわたるリピーター確保のきっかけになる可能性もある。

 コラボルームについては、そのようなホテルの思惑と、商品の宣伝、消費者が実際に商品に触れられる機会をという企業のニーズが結びついたものと言えるが、企業側にとってはホテルとのコラボ企画は費用が抑えられるなどの利点が多いのだ。ただし、異色のコンセプトルームやコラボルームはホテル内に1室、多くて数室で、結果高倍率になっているという現象もある。

 コンセプトということでいえば、「東京ディズニーランドホテル」などはホテル全体がコンセプトと言えるが、特にテーマパークや人気観光地にあるホテルでは、コンセプトルームに力を入れている例が増えてきた。

 山梨県の「ハイランドリゾートホテル&スパ」(山梨県)のEVANGELION:ROOM(アニメ・新世紀エヴァンゲリオン、2014年9月で販売終了)やトーマスルーム(きかんしゃトーマス)、長野県にある「白樺リゾート池の平ホテル」のプリキュアルーム仮面ライダールームなどが人気を博してきた。… 続きを読む

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瀧澤 信秋

瀧澤 信秋

ホテル評論家、旅行作家

All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会正会員。利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また旅行作家として旅のエッセイなども多数発表、ファンも多い。2014年は365日異なるホテルにチェックインし続ける「365日365ホテル」を実践中。

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