ホテル評論家・瀧澤信秋の「出張するならこのホテル!」(第4回)

寝るだけじゃ勿体無い!?客室が広いビジネスホテル

2014.12.24 Wed連載バックナンバー

ホテルカテゴリー合戦

 シティホテルやビジネスホテルといった旧来からのカテゴリーが進化している。シティホテルの要素を持つビジネスホテルや、ビジネスホテルの要素を持つシティホテル、どちらにも当てはまらない進化系ともいえるホテルも登場。近年業態の垣根を越えた「カテゴリー合戦」の様相を呈している。いずれも顧客獲得競争がもたらすサービスの進化であり、目新しい何かを提供したいというホテル側の努力には敬服するばかりであるが、人的なサービスなどと比べて、ゲストが滞在する客室の面積に関してはかなりシビアだ。

 ビジネス利用・シングルユースを基準に考えると、デラックスクラスのシティホテルではダブルルームがアサインされる。客室面積は最低でも25平方m以上、ダブルベッドにソファセットが置かれるケースである。ミドルクラスのシティホテルでも20~23平方m以上が基準となる。これでもダブルベッドに1人掛けソファとミニテーブルが入る広さだ。

 一方、全国チェーンの低廉型ビジネスホテルだと9平方mからせいぜい13平方mあたりが基準。9平方mというのは、旅館業法のホテル営業に関する規定の最低基準となる。シングルベッドと小さなデスクを入れただけで窮屈な印象であり、最近では9平方mの部屋にセミダブルサイズのベッドが入っていたりする。大きなスーツケースなどは置くのに難儀する広さだ。

 低廉型より2割ほどレートが上になる付加価値型のビジネスホテルだと、15平方m以上が基準となり、18平方mを有するホテルも多い。シングルルームにしてダブルベッドを採用したり、広いデスクを備えたりとかなり余裕ができる。

 以上はいずれも概ねの基準であるが、このような基準にはあてはまらない広い客室面積を有するホテルがある。安いからと思ってチェックインしてみたら広かったという「嬉しい誤算」といったところだろうか。部屋が広くお得に利用できるビジネスホテルを紹介しよう。

 

シティホテルがいまビジネスホテル!?

 昨今ホテル業界でさまざまな業態が生まれていることは前述したが、特に多いのが旧来のシティホテルがビジネスホテルへ鞍替えするケースである。シティホテルとは、レストランや宴会場、ジムなど多彩なコミュニティ施設を有するホテルである。近年の外資系デラックスホテルに代表されるようなラグジュアリーホテルの進出で、そもそもデラックスであった旧態型のシティホテルが苦戦を強いられることも多くなっている。結果、シティホテルがビジネスホテルへリブランドなどにより業態変更するケースが相次いでいる。

 全国的なビジネスホテルチェーンが業績を伸ばし勢力を拡大しているのも、宿泊に特化した経営をしているからである。業績不振の旧態型のシティホテルでは、特にレストランなどの料飲部門が経営の足かせになっていることもあり、シティホテルが余計なサービスを排し宿泊に特化した業態へ変更するという訳だ。

 そのようなホテルで代表的なのが東京の品川駅前に位置する「京急EXイン品川駅前」。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

意外と高くない?ホテルのクラブラウンジの活用法
瀧澤 信秋

瀧澤 信秋

ホテル評論家、旅行作家

All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会正会員。利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また旅行作家として旅のエッセイなども多数発表、ファンも多い。2014年は365日異なるホテルにチェックインし続ける「365日365ホテル」を実践中。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter