ホテル評論家・瀧澤信秋の「出張するならこのホテル!」(第32回)

地方で絶大な人気を集めるビジネスホテルの秘密とは

2016.02.29 Mon連載バックナンバー

独立系や小規模ホテルチェーンに注目

 昨今、都市部でホテル不足問題が叫ばれている。稼働率の上昇と共に料金も高騰する傾向にあり、同じ客室が閑散日と繁忙日では3倍以上の料金差という例も多く見られる。そのため、客室・サービスに見合わない、割高な料金設定のホテルが大都市に溢れるようになったと感じている。

 一方、地方都市の料金は変動幅が小さい。そして、“これだ!”というホテルは、意外にも地方で展開する独立系や小規模ホテルチェーンに多い。

 今回は、各地で絶大な人気を博する、地方ビジネスホテルの秘密を探ってみたい。

 

対全国チェーンの秀逸コンセプト

 巨大ビジネスホテルチェーンが全国各地へ展開したことにより、地方の独立系ホテルは淘汰されてきた。その一方で、地方で巨大チェーンを超えたホテルを作ろうとする動きも活発になっている。

 全国チェーンは集客に強みがある反面、多店舗で同一のクォリティを保つ必要に迫られるが、独立系や小規模チェーンでは、オリジナリティ溢れるコンセプトを打ち出すことが容易い。優れたピンポイントサービスをスピーディーに提供できるのだ。結果、全国チェーンホテルのサービスを踏襲しつつ、更に秀逸なコンセプトを加味した素晴らしいホテルチェーンが出現することになる。

 大浴場を擁するビジネスホテルは全国チェーンでも見られるが、利用の際には客室のタオルを持参するのが一般的。山陰地方で展開する『グリーンホテルモーリス』では大浴場にタオルを常備する。このクラスのホテルでは希有なサービスだ。

 また、長野県佐久市に『アクアホテル佐久平駅前』というホテルがある。最上階に大浴場・サウナ・露天風呂を擁しているが、なんと全客室の浴室に眺望できる窓を設けているのである。大浴場を設けたから客室の浴室は割り切るというホテルは多い中で珍しい例だ。全客室に電子レンジを設置してある辺りも優れた利用者目線の追求といえよう。

 また、ビジネスホテルでは無料朝食を提供するホテルは多いが、無料朝食に加え、ほとんどの施設で全宿泊者の夕食まで無料にしているホテルチェーンが、… 続きを読む

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瀧澤 信秋

瀧澤 信秋

ホテル評論家、旅行作家

All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会正会員。利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また旅行作家として旅のエッセイなども多数発表、ファンも多い。2014年は365日異なるホテルにチェックインし続ける「365日365ホテル」を実践中。

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