“無関心”が企業の成長を阻む

日本がIT後進国になりつつある理由

2017.09.14 Thu連載バックナンバー

 野村総合研究所(以下、NRI)は今年7月、国内大手企業約3,000社の最高情報責任者およびそれに準ずる役職者に対して行った、ITの活用実態に関するアンケート結果を公開した。

 その中で「IT戦略に対してどう関与しているか」という質問に対し、過半数を上回る経営層が、「IT戦略の内容確認もしくは決済に関わっている」と回答している。しかし、「全社単位に関わるIT戦略に対して、その必要性や方向について指示を出している」と回答した経営層は27.3%に減っている。つまり、全社的にITを経営に導入しようとしている経営層は、3割にも満たないことになる。

 この経営層のITに対する関わり合いの低さは、プロジェクトへの投資額や人材配置にも影響を与えているかもしれない。情報処理推進機構(以下、IPA)が行った調査によれば、日本のサービス業が、ITに関わる業務に人材を配置する割合は、米国の30.2%に比べ、たったの6.5%という数値である。

 このままITの導入が進まなければ、日本はIT後進国になってしまう。なぜこのような事態に陥っているのか。日本の組織が抱える背景と課題に迫る。

 

「IT」=「守り」の図式から軌道修正できない

 日本国内の企業が、これまでにIT人材にリソースを割いてこなかった理由は、IT部門の存在目的に大きく起因する。

 前述のNRIの調査では、「IT部門に求める役割」という質問に対し「事業リスクの軽減(セキュリティ対策)」と回答した経営層がもっとも多く、次いで「業務プロセスの改善・改革」という回答結果であった。

 つまり、現在の国内企業のIT部門は、企業を守るための役割を主としており、企業全体の事業に関わる新たなプロジェクトや、商品やサービスの開発・強化を目的としていないのだ。特に、日系大手企業では「攻め」を目的とした、新たなIT部門のあり方に追いつくことができていないのが現状だ。

 しかし、今後のIT部門の役割は、全社横断型の「攻め」の戦略に大きく関わっていかざるを得ないだろう。なぜなら、… 続きを読む

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見上すぐり

見上すぐり

株式会社ネクストアド所属ライター

B2B向けのデジタルマーケティング、IT関連の記事を専門とする。大手金融機関に勤務後、米国発のインバウンドマーケティングやデジタルマーケティングを導入したサービスで日系企業の海外進出のサポートにたずさわる。現在はインド在住。

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