新規事業を成功に導く仕組み(第2回)

なぜリクルートは事業の”勝ち筋”を見つけられるのか

2017.09.21 Thu連載バックナンバー

 ボストンコンサルティンググループ日本法人の代表を務める杉田浩章氏は、著書『リクルートのすごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド』(日本経済新聞出版社/刊)にて、リクルートが新規事業を創出できる秘訣は「仕組み」にあると説明します。

 新規事業の種を見つける「0→1」の段階での仕組みについては、第1回目で紹介しました。ではその種を継続的に収益を生み出すビジネスに発展させるには、どのような工夫ができるのでしょうか。今回は「1→10」にするためにリクルートが実践している、ビジネスの勝ち筋を見つけ、粘り強く実行するための方法を紹介します。

 

「勝ち筋」を正しく捉える仕組みこそが、リクルートの強み

 「1→10」の段階においてまずやるべきことは、ビジネスとして成功する可能性が高い「勝ち筋」を見つけることです。リクルートではやみくもに施策を実行するのではなく、この勝ち筋を見つけるための準備段階に徹底して時間を費やします。そしてその仕組みこそが、リクルートが他社よりも優れている点だと杉田氏は説明します。

 その中心となるのが「マネタイズ設計」「価値KPI」「ぐるぐる図」という3つのメソッドでです。

 たとえば収益をあげる仕組みを考える「マネタイズ設計」は、どんな企業でもやっているでしょう。ただしリクルートのマネタイズ設計は「ユーザーが一定数越えれば広告収益が発生し黒字化する」といった曖昧なものではなく、「誰の財布から、どの分の支出を代替するのか」というレベルまで徹底的に追求していくことを指します。

 正しい勝ち筋を見つけるためには、提供するサービスに誰がお金を払ってくれるかを考えるだけでは不十分です。どの財布からお金を出してもらうのかまで事前に考えておかなければいけません。その予算は広告宣伝費とマーケティング費のどちらから出るのか、そして現状どれくらいの金額が割り当てられているのか、といったレベルまで掘り下げていきます。

 それを踏まえて、そのビジネスに必要な人員やコストを固め、結果的に継続して利益が上がる体制を作れるとわかってようやくマネタイズ設計ができたと言えるのです。

 

勝ちに直結するKPIが見つかるまで、実行段階に進めない

 マネタイズ設計を終えたら「何を達成すれば勝ちに直結するのか」、肝となる指標を見つける必要があります。それが… 続きを読む

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矢野 慎二

矢野 慎二

フリーライター

IT系スタートアップでマーケターとして働いたのち、フリーのライターに。現在は地方からリモートでビジネス全般や新しい働き方、最新のテクノロジー動向などを中心に取材、執筆している。

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