今後は3年、5年ごとに必ず訪れる

企業に立ちはだかる2つの「2018年問題」とは

2017.08.30 Wed連載バックナンバー

 派遣社員や契約社員など、有期雇用の人材をスタッフとして採用している会社は多いだろう。しかし、この有期雇用に関して、2018年にある2つの問題が起ころうとしている。

 1つ目が、2015年に施行された改正労働者派遣法の影響である。同法では、派遣社員が同一の組織単位で働けることを3年までと規定しており、2018年秋に、施行後の初となる期限が秋(2018年9月30日)に訪れる。つまり、2015年から今秋で勤続3年目を迎える派遣社員は、以後、その部署では基本的に働き続けられないのである。

 2つ目は、2013年に改正された労働契約法に関する問題である。同法は、派遣社員や契約社員といった有期雇用の労働者が、労働契約が通算5年を超えたとき、労働者の申し込みによって、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できることが規定された。

 つまり、同法が改正された2013年4月以降に契約し、5年が経った有期雇用スタッフから申請があれば、企業はそのスタッフを、有期雇用から無期雇用へと転換しなければならない。2018年春(4月1日~)、同法改正後の初の期限が訪れようとしている。

 2018年の春と秋に訪れる2つの問題に対し、企業はどのように対処すべきだろうか。今回はこの2つの「2018年問題」への対策を考えてみる。

 

派遣社員は同じ職場で3年以上働けない。なんで?

 まず1つ目の、派遣期間に3年という制限が加えられた2018年問題についてだが、実は改正前も派遣期間は上限があり「原則で1年、最長で3年まで」というものだった。ただし、特定の業務に従事する「専門26業務」については、上限はなかった。

 それが2015年の改正により、同一の組織で働ける期間は業務を問わず、上限が3年までとなった。たとえば、秘書を派遣社員で業務で雇っていた場合、3年の契約を完了した後は、派遣社員という形では、引き続き秘書としての雇用は継続できない。

 企業側から見れば、優秀な派遣社員を3年で失うことになり、そして労働者側にとっても、3年ごと企業を移動しなくてはならくなってしまうため、一見するとデメリットが大きいようにも見える。だが、本法律の改正はそれを狙ったものではない。むしろ、有期雇用である派遣社員を、雇用期間の定めがない正規雇用へと積極的に切り替えることを狙っているのである。

 実は同法では、… 続きを読む

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櫻庭由紀子

櫻庭由紀子

株式会社ネクストアド所属ライター。経営者のヒューマンドキュメンタリーや企業の経営戦略、伝統工芸や製造業の職人の取材記事を中心に執筆。その他、江戸時代の時代考証や落語・歌舞伎の伝統芸能についての執筆も行う。

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