強い動機が強い組織を作る(第1回)

“今月○万足りないから契約取ってこい”では失敗する

2017.08.23 Wed連載バックナンバー

 『動機づけのマネジメント ―最高のマネジャーがやるべきたった1つのこと』(横田雅俊/著、プレジデント社/刊)というビジネス書が人気となっています。この本は、「結果を出すなら、動機はどうでもいい」ではなく、「結果を出すために、上司が部下の動機に深くかかわっていく」というマネジメント手法を解説したものです。

 本書によれば、最近の部下の世代は、従来の「結果を出すなら動機はどうでもいい」という動機では動かず、かえって「やらされ感」を感じ、ますます動かなくなってしまうといいます。

 「やらされ感」を生まないマネジメントとはどのようなものでしょうか? 本書から読み解きます。

 

「ヒアリングシート」でダメな組織かどうかがわかる

 社内教育の仕組みやサポート体制も整えているのに、なぜか営業成績が上がらないと悩む企業もあるでしょう。その裏には、部下の「やらされ感」があるかもしれません。

 本書では、ビジネスシーンで「やさられ感」を生む一例として、顧客のニーズを把握するための「ヒアリングシート」を挙げています。ヒアリングシートは、顧客に聞いておくことをまとめておくための資料で、その情報を社内で共有することで、顧客に対する戦略的なアプローチが可能となります。

 ですが、ただ単にシートの空欄を埋めるだけでは意味がありません。上司が「ヒアリングシートを使って新規開拓してこい」と指示しているだけでは、部下が「ヒアリングシートを埋めるだけでいいや」とだけ思うようになってしまう恐れがあります。

 もちろんヒアリングシートは、ただ欄を埋めるだけで良いわけではありません。ビジネスに繋がる重要な情報を書き留め、次に繋げる必要があります。本来は、ヒアリングシートに書いていないこともどんどん顧客に質問すべきものです。ですが、“やらされている”と感じる部下は、言われたことだけしかやりません。

 部下がやらされ感を持たないために、上司がすべきことは、部下の「やる気」を促すことです。そうすることで部下は動き出し、より高い成果を出そうとします。

 

「今月は○万円足りない。なんとしても契約を取ってこい」ではダメ

 しかし、どうすれば部下の「やる気」は引き出せるのでしょうか。本書ではそのために必要なこととして、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

櫻庭由紀子

櫻庭由紀子

株式会社ネクストアド所属ライター。経営者のヒューマンドキュメンタリーや企業の経営戦略、伝統工芸や製造業の職人の取材記事を中心に執筆。その他、江戸時代の時代考証や落語・歌舞伎の伝統芸能についての執筆も行う。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter