企業は社会にどれだけ価値を創出しているか(第1回)

CSR(企業の社会的責任)がマーケット化する背景とは

2017.08.10 Thu連載バックナンバー

 CSR(Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)という言葉があります。各企業が自社の社会的責任を認識し、責任を果たすための取り組みを行うことです。もともと欧米で言及されはじめ、日本では2003年頃から本格的な取り組みが始まりました。

 CSRの位置づけや具体的な内容は、それぞれの企業により異なります。しかし現在、投資家が企業のCSR活動に求めているものは、利益の還元のような社会貢献から、より戦略的かつ経営方針や事業内容と密接に関わるものへと変化しています。

 今回は、CSRに求められる要素が変化した背景と、最新動向について紹介します。

 

日本企業がCSRを理解するには時間がかかる

 CSRという考え方は欧米を中心に台頭し、日本企業のグローバル化に従って、日本でも定着していきました。

 とはいえ、CSRは欧米で生まれた言葉であるということ、また非常に概念的なものであるということから、多くの日本企業はその解釈に苦慮してきました。当時の日本企業は、「環境+社会=CSR」と解釈し、CO2削減などの環境活動に、人事・労務やガバナンス、コンプライアンスや、社会貢献活動を付け加えることから始めるケースがほとんどでした。

 一方、世界ではCSRのスタンダード化が進み、2010年に発行された国際規格ISOのCSR版「ISO26000」や、情報開示の国際標準「GRI」で「CSR活動として求められる項目」の枠組みが示されました。これにより日本企業でもCSR活動の体系が整備され、「CSR報告書」を通じてISOやGRIに沿った情報開示が進むなど、企業やそのステークホルダーにも徐々にCSRが浸透していきました。

 

全世界の資産運用残高の約3割を占める「ESG」とは?

 CSRを語る時に、最近はよく「ESG」という言葉が使われます。

 ESGとは、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

湘南 キミドリ

湘南 キミドリ

25年以上に渡る大手グローバル企業での広報・CSRのキャリアを経て、2017年春からフリーへ転身。現在は保育園児・小学生2児の子育てに奮闘するかたわら、執筆活動や在宅でのビジネスサポートを行う「一人働き方改革」の推進中。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter