日本を支配する「空気」の正体を分析する

「空気が読める」ことよりも重要なこととは?

2017.06.15 Thu連載バックナンバー

流行語大賞「KY」が日常的に使われ続けている理由

 2007年、「KY(空気が読めない)」という言葉が流行語大賞にノミネートされた。この年の流行語大賞には、東国原英夫元宮崎県知事の「どげんかせんといかん」、ゴルフの石川遼選手の「ハニカミ王子」が選ばれた。10年経った2017年現在、東国原氏は宮崎県知事ではないし、石川選手もベテラン選手のへと成長した。しかし、「KY」は、それらの流行語とは様相を異にして、現在も日常語として用いられている。

 なぜKYは、10年たった今でも「死語」とならずに、日常的に用いられているのか。それは、時間とともに時代は変わっても、「空気」が今も昔もずっと日本に存在しているからである。

 この空気の存在に着目し、研究した人物が、昭和期に活躍した作家で評論家の故・山本七平氏である。

 山本氏の著書「『空気』の研究」によると、この空気なるものは、日本独自のものであり、日本や日本人を決定づけていると言っても過言ではないという。であれば、この「空気」の存在を正確に把握できれば、日本において、どのように生き、どのように組織を運営していけば良いかの大きなヒントを得ることになる。

 では、空気とはどのようなものなのか。山本氏は、空気の存在を証明するその象徴的事例として、太平洋戦争における「戦艦大和の特攻出撃」を取り上げている。

 

沖縄戦で戦艦大和に特攻を命じたものとは?

 日本の敗戦が濃厚となった1945年3月、アメリカ軍が沖縄諸島に上陸し、いわゆる「沖縄戦」が繰り広げられた。

 この戦いにおいて、当時の日本が誇る巨大戦艦「大和」の特攻出撃が決まった。しかし大和は、沖縄に到着することなく、1945年4月7日にアメリカ海軍の迎撃に遭い、鹿児島の海に沈没した。

 大和は元々、1944年6月15日~7月9日に行われたサイパンの戦いにおいても出撃される予定だった。しかしこの時、「到達までの困難と、到達しても機関、水圧、電力などが無傷でなくては主砲の射撃が行えない」ことを理由に、特攻案は棄却されていた。専門家によるデータ分析により「戦艦大和特攻出撃は無謀」という結論は既に出されていたのである。

 実は沖縄戦においても、大和が出撃するための根拠は整っていなかった。しかし、それにもかかわらず、沖縄では実行された。

 サイパンでは見送られた案を、沖縄で実行させたものは何だったのだろうか? その正体が、昭和50年8月号の『戦艦大和』(吉田満監修構成)の軍令部次長・小沢治三郎中将の発言に記されている。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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