タテ社会の日本企業を蘇らせる方法(前編)

日本の「タテ社会」がグローバル化を妨げる理由とは

2017.05.15 Mon連載バックナンバー

 1967年に東大名誉教授の中根千枝氏が記した「タテ社会の人間関係」が、日本論の新しい古典としてのステータスを築いている。発行部数は117万部を突破、世界13カ国語に翻訳され、今日も売れ続けているロングセラーだ。

 同著は、50年前に中根氏が世界を回り、外から日本を見たその本質的特徴を科学的に解明した。そこには、日本が50年経った今も克服できずに抱え続けている、タテ社会がもたらす弊害と原因がわかりやすく解説されている。

 今回は、中根氏が本書に記した、日本の社会構造の特徴を紹介しよう。

 

「場」が重要か、「資格」が重要か

 中根氏によると「社会」というものは、日本に限らずそ長年の歴史によって築き上げられた独自の社会構造を有しているという。そして、それは簡単に変わることのない、普遍的なものであるとしている。

 そのことを、中根氏は「場」と「資格」という2つの概念を用いて説明している。

 「場」とはその人が所属する集団を意味し、「資格」とはその人の属性を意味している。たとえば、ある人が大学を卒業し、企業に就職した場合、〇〇大学や△△会社が「場」に相当し、卒業することによって付与される学士や仕事を通じて得られたシステムエンジニアなどの職種が「資格」に相当する。

 どの社会にも「場」と「資格」という概念は存在するが、どちらがより優先されているかによって、社会の構造が特徴づけられる。

 具体的には、日本は「資格」よりも「場」を重視するタテ社会であり、イギリスをはじめとする欧米諸国、およびかつてイギリスの植民地だったインドは「場」よりも「資格」が優先されるヨコ社会とされる。

 

東大にステータスはあるが、オックスフォード大学にはない?

 ではなぜ、日本はタテ社会なのか。

 日本では、古くから最小の社会組織の単位として「家」が機能し続けてきた。その「家」が集まったひとかたまりが「村」として組織され、「和を以て尊しと為す」「村八分」といった言葉に象徴される通り、集団行動主義が大事とされてきた。

 集団行動主義は「ウチとソト」を明確に分断し、「ウチ」が強く意識されることによって、必然的にウチにおいての序列が重視される。「長男」や「長老」という言葉にも表れているように、年功序列意識が社会構造として深く根付いていった。日本社会にはこうしたタテ社会の人間関係が長く生き続け、今もなお変わりにくい普遍的な構造として存在している、というのだ。

 ではなぜ、イギリスやインドはヨコ社会なのか。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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