イノベーションのジレンマを乗り越えるためには(第2回)

新規事業に成功した大企業は何をしているのか?

2017.06.09 Fri連載バックナンバー

 「大企業であればあるほど、新規事業は生み出しにくい傾向にある」

 前回は、大企業が「組織」・「人事」・「資本」という3つのジレンマを抱えており、そこから抜け出せないため、新規事業を生み出しにくい構造にあることを取り上げました。

 とはいえ、いくら大企業でも既存事業だけで経営を続けていくことは容易ではありません。大企業が新規事業を立ち上げ、成功するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?

 

大企業のジレンマを解決する3つのプランとは

 大企業は大きな事業を持続的に運営する上で、非常によくできています。これまでの実績に裏打ちされた予算が毎年更新され、その予算に基づいて各部門に目標が割り当てられます。そして、期末にはその目標に照らして部門や個人が評価されることで、大勢の関係者がひとつの予算の達成に向けて効率的に協働するように動機付けられるのです。

 新規事業が抱える「組織」のジレンマは、こうした既存のPDCAサイクル(予算策定から評価までの一連の仕組み)とのギャップによって生じます。有り体に言えば、新規事業は既存事業と比べて先行き不透明なため予算がつきにくく、部門や個人にとっても確実に評価される既存事業を犠牲にしてまで、新規事業にリソースを割く動機がないのです。

 しかし、これではいつまで経っても新規事業は立ち上がりません。このジレンマを解決するためには、大きく3つのプランが考えられます。

 

【1】既存のPDCAサイクルを応用する

 ある外資系IT企業では、クラウドサービス事業をはじめたものの、クラウドを売ればパッケージシステムが売れなくなるため、既存事業部門の協力を得られない状況にありました。

 そこで同社は、既存事業部門が… 続きを読む

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連載記事

新規事業に成功した大企業は何をしているのか?
吉江 宣慶

吉江 宣慶

経営コンサルタント

外資系コンサルティングファームのプロジェクトマネージャーとして、大企業を中心としたビジネスモデルを変革する新規事業立ち上げのハンズオン支援、大企業×ベンチャーのコラボレーションを促進するM&A戦略の立案、デジタル業界などのニューエコノミーのビジネスデューディリジェンスを得意としている。

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