リオオリンピックメダリストに学ぶ「勝利の法則」(第4回)

競泳・平井伯昌コーチに学ぶ、伸び悩む選手の指導法

2016.11.15 Tue連載バックナンバー

 リオデジャネイロオリンピックでは、水泳の競泳競技も好調な成績を記録した。メダルの総数は7個(金2、銀2、銅3)と、ロンドン五輪の11個(銀3、銅8)よりも少ないが、ロンドンでは届かなかった金メダルの獲得に成功した。

 特に男子では、2004年のアテネ五輪からロンドンまでメダルを獲得してきた北島康介選手が引退したものの、萩野公介選手が大活躍。男子400m個人メドレーで4分6秒05の日本記録を出し、この種目としては日本選手初となる金メダルを獲得した。さらに、200m個人メドレーで銀メダル、800mフリーリレーでも銅メダルに輝いた。

 実は北島選手と萩野選手は、同じコーチの指導を受けている。東洋大学法学部准教授で、五輪代表チームの監督も務めた平井伯昌(のりまさ)コーチだ。平井氏が指導したオリンピックメダリストは、この2選手以外にも松田丈志選手や寺川綾選手、中村礼子選手など9人に及ぶ。

 なぜ平井コーチはメダリストを育成できるのか。その指導法に迫る。

 

選手が成長するのは当たり前。ではなぜ成長しないのか?

 平井コーチの指導法で特徴的なのが、「選手は伸びるのが当たり前」という考え方である。

 アスリートである以上、きちんと練習を積めば自ずと成績は伸びる。それでも結果が出ない場合は、練習のやり方か、選手とのコミュニケーションか、選手の理解力か、いずれにせよ何かしら強くならない原因がある。それを見つけて克服する、というのが平井コーチの根底の考え方である。この考え方を大前提として物事を突き詰めていけば、どんな境地に陥ったとしても、慌てずに答えを見つけていけるという。

 平井コーチの指導は、次のような流れを取る。まず、選手に対して、「これはいけそうだ」という予想を立て、実際に試し、「この練習をすればこの選手はこんな反応をした」「レースでこういう指示の仕方をすると、こんな結果が出た」というデータを蓄積していく。そして、その蓄積されたデータから、各選手に合った練習プログラムや、効率のいい泳ぎを探っていく。

 つまり、平井コーチの練習プログラムや指導法は、北島康介バージョン、中村礼子バージョンというように、選手の特性に合ったさまざまなバージョンが存在する。結果的にそれが、選手それぞれの特性や個性にフィットした指導につながっていくのである。

 

なかなか結果が出ない選手の指導法

 選手それぞれの個性に合わせた指導法とは、具体的にはどのようなものなのだろうか。ロンドン五輪の女子400mメドレーリレーで銅メダルを獲得した加藤ゆか選手を例に見ていこう。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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