リオオリンピックメダリストに学ぶ「勝利の法則」(第1回)

卓球メダリスト・水谷隼が指摘する「ダメな指導者」

2016.10.07 Fri連載バックナンバー

 8月に行われたブラジル・リオデジャネイロオリンピックで、日本選手団は過去最多となる41個のメダルを獲得した。

 特に、これまでメダルに恵まれていなかった競技での躍進が目立った。たとえば「卓球」だ。上位は毎回中国が独占しており、日本のメダル獲得は、2012年ロンドン五輪の女子団体銀メダルのみだった。しかしリオ五輪では、前大会までメダルがまったく獲得できなかった男子が活躍、シングルスで銅、団体で銀を獲得した(女子も団体で銅メダルを獲得)。

 この原動力となったのが、男子団体のメンバーであり、男女合わせてシングルスで唯一のメダリストに輝いた水谷隼選手である。北京五輪・ロンドン五輪にも出場していたものの、いずれもメダルに手か届なかった彼は、なぜリオでメダルに辿り着けたのだろうか?

 今回は水谷選手の発言や行動、および著書から、その躍進の理由を紐解いていこう。

 

世界基準で考えると「指導者」が甘い

 リオオリンピックで金字塔を打ち立てた水谷選手は、若い頃から日本卓球界の歴史を塗り替えてきたスター選手だった。中学2年で全日本卓球選手権ジュニアの部で優勝(当時男子史上最年少)、15歳10カ月で世界選手権日本代表に選出(当時史上最年少)、17歳7カ月で全日本選手権に優勝(史上最年少)。2010年度には全日本選手権を5連覇した(史上初)。翌2011年度は決勝で敗れ6連覇を逃したものの、2013年度から2015年度に3年連続の優勝(8度目)を果たしている。

 世界大会でも活躍しており、リオ五輪前に行われた世界卓球選手権にて、団体で39年ぶりの銀メダル獲得に成功した。ITTF(国際卓球連盟)による世界ランキングは、10月現在で日本人最高位となる5位となっている。

 なぜ水谷選手は世界で活躍できるのか。

 その理由のひとつに、彼がより厳しい環境を求めていることがあるだろう。水谷選手はロンドン五輪で敗退した翌2013年よりロシアの卓球リーグに所属し、ドイツや中国のトッププレーヤーと同じチームでプレーをして力を付けた。

 「日本の環境は世界基準で考えると甘い。にもかかわらず、日本の選手は世界に飛び出していかない」

 日本にも卓球リーグはある。しかし水谷選手は「世界基準」を求め、日本を離れた。なぜ、日本では「世界基準」がないのか。その理由のひとつに、水谷選手は「指導者」の存在を挙げた。

 

日本にはびこる、悪しき「頑張っている感」

 水谷選手は、多くの日本人指導者のやり方を好ましく思っておらず、レベルアップが必要だと説いている。

 たとえば、「型にはめる」「全体主義的」な点だ。チャンピオンまで上り詰めるアスリートは、… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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