ラグビー日本代表の躍進を支えたメンタルの鍛え方(第1回)

日本代表元キャプテンが自信を取り戻した言葉とは

2016.08.15 Mon連載バックナンバー

 昨年ラグビーW杯で活躍した日本代表。当時のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、選手やコーチの中にはびこっていた考え方を変えることに挑戦し、歴史を変える成果を生み出した。その最も要の部分にあたる、「選手たちの考え方を変える」「心を鍛える」という重責を担ったのが、スポーツ心理学を専門とする、兵庫県立大学環境人間学部准教授の荒木香織メンタルコーチ(当時)である。

 荒木氏自身が執筆した書籍「ラグビー日本代表を変えた『心の鍛え方』」(講談社+α新書刊、荒木香織著)では、心の鍛え方やメンタルスキル、マインドチェンジの方法論など、ビジネスパーソンにとっても、そのまま役に立つスキルも多く記されている。本連載では、この書籍に記された具体的なメンタルの鍛え方を考える。

 初回で取り上げるのは、今年3月に現役を引退した、“影のキャプテン”こと廣瀬俊朗氏(元 東芝ブレイブルーパス)についてである。彼は2012年より代表のキャプテンを任されていたものの、2015年にはその役目を解任され、弱気になっていた、「どうすればいいのか?」と自分に問いかけた廣瀬氏が自分に下した結論とは何か?そして、どのような行動をとったのか?

 

レギュラーとキャプテンからの陥落

h_300 2012年3月19日、エディ・ジョーンズ新ヘッド・コーチのもとで発進する新年度の日本代表メンバーの一人として、廣瀬氏は5年ぶりの代表復帰を果たした。

 会見でエディコーチは、廣瀬氏のことを、「日本ラグビーのイメージリーダーになれる資質の持ち主」「彼にはキャプテンの資質がある」と称賛した。その一方で、「今以上のプレーができなければ、チームから出て行ってもらうことになる」とも語った。代表選出当初から、エディコーチは、廣瀬氏に対して、リーダーシップについては絶賛しながらも、選手として代表に留まるためには、成長が不可欠と見ていたようである。

 実際、廣瀬氏の出場機会は徐々に少なくなっていた。2014年には、遂にキャプテンを降ろされ、その座をリーチ・マイケル選手に譲った。キャプテンでもなく、レギュラーでもない、いつ代表から外されるかわからない状況下で、廣瀬氏は自信を失い、弱気になっていった。

 

「陰のキャプテン」という新たな役割の発見

 廣瀬氏が思い悩む中、エディコーチもまた、廣瀬氏をワールドカップに連れていくかを悩んでいるようだった。そこで、荒木コーチは、廣瀬氏に尋ねた。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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