企業のための「強み革命」(第1回)

「強みを活かす/弱みを克服する」どちらが良いか?

2016.05.12 Thu連載バックナンバー

 「強み(長所)を活かすべきか」「弱み(欠点)を克服すべきか」という究極の選択は、人材育成の場面でよく聞かれるセリフだ。

 どちらをチョイスするかは、企業の社風や、人材育成の担当者の方針によって異なりそうだが、この2つの選択肢について、はっきりと“強みを活かすべき”と主張する人物がいる。作家のマルクス・バッキンガム氏と、心理学者のドナルド・O. クリフトンの両氏である。

 両氏は2001年に『さあ、才能に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』(日本経済新聞出版社刊)という本を出版した。その中で、自らの強みを活かすことによって成果があがり、欠点さえ“強み”に変えることができるという。つまり、強みを活かすことは、欠点を克服する必要がないうえ、自分が他人よりも秀でている部分をさらに伸ばすことができるというのだ。

 今回は、本書に記された「強み革命」について、詳しく迫り、あるべき人材の育成方法を考えてみよう。

 

弱みを克服したとしても、それは強みにはならない

 人材育成の基本的な方針として、「弱点を克服させる」のか、それとも「強みを活かす」のか、という二項に意見が分かれるが、本書ではほとんどの企業は「弱みの克服」にその資源を投じ、「強みを活かす」ことには努力を払っていないと指摘している。学校の教師達も、優秀な人間を育てようと、弱点を克服させる指導をし続けているという。

 こうした弱みの克服について、本書では「指導法としては間違っている」と警鐘を鳴らしている。

 もちろん、弱みの克服がまったくの無意味ということではない。医者が患者の病気を治すことや、心理学者が悩みを克服する研究に励むことに意味があるように、たとえば同僚と上手く付き合えない従業員には、センシティブ・トレーニング(感受性強化訓練)のような訓練が効果的であるという。

 しかし、これはあくまでもダメージコントロール(ダメージや被害を最小限に留めること)である。医者が強いスポーツ選手を育てるわけではないのと同様に、弱みの克服では、従業員や企業を「世界に通用するレベルまで高める」ことはできない。

 にもかかわらず、多くの企業は強みを活かすことに注力せず、弱みを克服することに躍起になっているという。

 

「今の職場では自分の強みが活かされていない」80%

 こうした教育を受けた従業員たちも、“今の仕事では、自分たちの強みが活かされていない”と感じているようだ。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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