今すぐできる組織の改善(第43回)

部下が自ら考えて動くようになる「KPT」とは?

2017.10.27 Fri連載バックナンバー

 多く会社の管理職はプレイングマネージャーでもあり、チームのマネジメントを行いながら自分の成果を出さなければならず、会社からもそれを求められています。その結果、部下の育成に時間を使えない、というのが多くの管理職が抱える悩みです。

 そんな時間がない管理職でも使いやすく、それでいて部下が自ら考えて動くようになる、振り返り・改善を行うための「KPT」というフレームワークを紹介します。

 

なぜ、振り返りと改善を習慣にするのは難しいのか?

 トヨタ式の生産性向上のポイントは、言わずと知れた「改善」です。同じように部下の仕事も「小さな改善」を促したいところですが、現実はそう簡単ではありません。

 振り返りと改善は、なぜ実践されにくいのか、そして、なぜ継続されにくいのでしょうか。その理由は、大きく次の4つの観点に集約できます。

 1つ目は、上司から振り返りをしろと言われても、「何をどう考えたらいいのか分かっていない」から。2つ目は、とにかく毎日やることがたくさんあり、「終わった仕事について振り返るための時間なんて取れない」から。3つ目は、振り返りして反省した所で、「結局どうすればいいのか?」という具体的な改善行動を突き詰められていないから。そして4つ目は、行動を続けるための仕組みが無いから。一時的に振り返っても継続を支援する人や、提出してレビューする人がおらず、一人で振り返るのは地味すぎてなかなか続きません。

 そんな諸々の要因によって、振り返りと改善は実践されることはなく、行われたとしても習慣にはならず、1回限りになってしまいます。

 しかし、「KPT」というフレームワークを用いることで、振り返りと実践が習慣化できます。

 

たった10分で改善できる、シートを使った「KPT」振り返り

 「振り返る」という思考作業は漠然としていますが、極端なことを言ってしまうと、「良かったことは何か?」、「問題点、反省点は何か?」、「具体的に次どうするか?」の3つの焦点で考えることです。この問いかけに対して一つひとつ答えていくのが、「振り返り」という作業になります。

 そのためには、KPTを使って考えることが有効です。KPTとは、一つの出来事に対して、KEEP(良かったこと)、PROBLEM(良くなかったこと、問題点)、TRY(次はどうするか?)の3つのポイントから考えるという内容ものです。以下のようなフレームワークとワークシートがあると、振り返りと改善行動を考えやすくなります。

 この3つのポイントは、実際に枠を埋めながら振り返ります。私たちは具体的な質問の焦点が与えられると考えやすくなりますし、空白があれば埋めたくなる心理があるからです。

 具体例を見てみましょう。次の内容は営業職5年目、Aさんが書いたKPTの例です。このようなフレームワークで本人の自ら考えることで、改善することを促します。… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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