今すぐできる組織の改善(第35回)

できるビジネスパーソンになる「15分の読書」

2017.05.23 Tue連載バックナンバー

陥りがちな、読んで満足してしまう「多読症」

 「1日3冊の本を読む」

 これは過去の私が決めた読書習慣でした。1日3冊読むのは実に爽快であり、達成感があります。革命とも思えるほど、知識は広がりました。

 そんな時に、知人の経営者が「ある速読法の年間表彰式」に行った体験を次のように語っていました。「ビジネス書を1年間でもっともたくさん読んだ人は1,000冊も読んでいたことに驚いた。もっと驚いたのは、その人がビジネスで成功しているとは思えないことだった」。この辛辣な言葉が妙に私の心に刺さったのです。

 そこで私が気づいたことは、以下の2つです。

 1つは、本を読むことは成長するために必要だが、「本を読むだけで成長できる」わけではない、ということ。2つ目は、「速読だけでは読書の一面的な効果しか得られない」ということでした。

 確かに、成功本を大量に読むだけで自動的にお金持ちになれれば、誰でも読むでしょう。そこに経験・失敗が加わって、「頭でわかった」ことが「腹に落ちた」に変わって、ようやく生活で、もしくは仕事で使える智慧に昇華できます。当然、ビジネス書を1,000冊も読む暇があれば、自分の仕事で1つ、新しい挑戦したほうがいい場合もあるでしょう。

 しかし、経験を重ねるだけでも智慧が生まれるとは限りません。経験を抽象化し、そこからさらに言語化してこそ、他の経験に転用したり、法則がわかったりするものです。そういう意味で、読書は成長のための「必要条件」ですが、経験とともになければ意味がありません。その点では、読書は成長の「必要十分条件」にはなりえないと言えます。成長には、「経験×読書」が必要なのです。

 

読書には2つのモードの使い分けが必要

 では読書の効果をより良く得るためにはどうしたらいいのか、と考えたとき、思い当たるのが、このところ流行している「速読法」です。私もいくつかの速読法を試し、自分なりに1冊を50分で読む方法を持っています。1日1冊読むと「知的刺激」があり、これが間違いなくビジネスで役に立つと確信しています(それはもちろん速読の技術があってのことですが)。

 しかし同時に、速読の限界にも直面しました。速読で処理できる本は… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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