今すぐできる組織の改善(第33回)

なぜ人は「悪い習慣」にハマってしまうのか?

2017.04.21 Fri連載バックナンバー

 「つい、食べ過ぎてしまう」、「お酒を飲み過ぎてしまう」、「テレビをだらだら見てしまう」、「ネットサーフィンが止まらない」、「夜更かしをしてしまう」……。

 数え上げればキリがない、「悪い習慣」。やめたいのに、なぜハマってしまうのでしょうか?

 

「ジャンクフロー」という習慣

 まず大前提として、私たちの心は「苦痛を避けて、快感を得たい!」という本能に引き寄せられるようにできています。本能は快楽や快感を得たいと叫んでいて、それを獲得することは不自然なことではありません。

 問題は、その快感の獲得の仕方なのです。

 「作業工程」などを意味する「フロー」という言葉は、心理学用語では「没頭状態」という「時を忘れる活動」を意味しています。フロー状態にある私たちは快感を得ていますが、ここに「健全なフロー」と、「不健全なフロー」があることに注意しなければいけません。ジョギングのランナーズハイもフロー状態であり、パチンコで激しい刺激を得ることも、ドカ食いして至福を得ることも、テレビを見て束の間の現実逃避をして笑うことも、フローです。

 ここで、刹那的な快感に過ぎず、長期で続けると身体や経済、人間関係を壊すフローを「ジャンクフロー」と呼びましょう。私たちが思う「悪い習慣」とは、つまりは「刹那的な快感の追求」であり、積み重ねると悪い結果になってしまう行動と定義できます。 ネットサーフィンが悪い習慣なのではなく、適度にコントロールできていれば、健全な楽しみとしてのフローです。しかし、寝不足になるまでやってしまうのではジャンクフローと言えるのです。

 では「やっぱり健全なジョギングがいいな!」となるかというと、そうではないでしょう。ジョギングの習慣を考えてみてください。習慣化していないうちは、疲れて帰宅してジョギングするのは苦痛です。外は寒いし、ウェアに着替えるのも面倒だし、見たいテレビはあるし。

 つまり、「苦痛を避けて、快感を得たい!」の法則からすれば、ジョギングは苦痛です。ランナーズハイに至るまでは道のりが遠いのです。刹那的にみれば、少なくとも今日の感情的な報酬だけを考えれば、テレビの方が快感です。

 

ジャンクフローにハマる3つの要因

 以上の例から、ジャンクフローが身についてしまう要因を、3つに整理してみましょう。

【1】快感の獲得のしやすさ

 悪い習慣、ジャンクフローの特徴として見えてくるのは、「獲得のしやすさ」です。つまり、快楽を得るための手っ取り早い方法なのです。食べることは、一日3回の他に仕事をしながら、帰ってから、そして深夜などに簡単に手に入る快感です。タバコは喫煙所に行けばすぐに手に入る快感ですし、パチンコ屋… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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