今すぐできる組織の改善(第23回)

「短気」と「気長」を使い分ける習慣

2016.11.22 Tue連載バックナンバー

 ある調査によると、世界の億万長者に共通する1つの資質として、短気と気長の両方を持っているという結果が発表されていました(『10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか』/ダイヤモンド社より)。つまり、ビジネスで成功している人は、とてもせっかちで短期間で目標追求する面と、目標に対しての取り組みを粘り強く続ける面を併せ持つ、ということです。

 億万長者には興味がなくても、高いパフォーマンスを上げたいと思うビジネスパーソンにとっても、この資質は必要になるでしょう。

 

私たちが考えるべき3つの視点と矛盾

 ビジネスパーソンが組織の中で果たす目的は、「組織や顧客から求められる成果を最大化すること」の一点に尽きます。そして、その目的達成のための人材が必要になるため、部下を短期間でいかに育成するかも重要なテーマです。それと同時に個人、そしてチームの単位時間当たりの生産性を高めることも求められます。

 しかしこの3つ、「成果の最大化」、「部下育成」、「生産性の向上」は、短期的な視野で考えれば必ずしもバランスよく行われるわけではありません。

 たとえば、部下に仕事を任せるより自分でやったほうが早いからといって、上司が自らやってしまうようなこともあるでしょう。生産性向上のために不要な業務プロセスがあり、ルールの見直しが必要だと感じても、一人の権限でできないことであれば、変えようとするより既存のルールに従った方が作業は増えないと判断してしまうこともあるかもしれません。

 そこで重要になってくるのが、「短気」と「気長」の視点なのです。「部下の育成」と「生産性の向上」、そして「成果の最大化」。この3つのポイントについて、短気と気長、それぞれの視点に立ってアプローチしていく方法を見ていきましょう。

 

【1】部下へは短気に行動を促し、スキルやマインドは気長に育てていく

・結果ではなく行動に注目し、短気で結果を出す

 部下の育成で最も重要視したいのは、「お互いで決めたことを守っていく」、「行動が進んでいるかどうかを確認する」ことです。最終的に現れる「結果」の背景には複雑な要因があり、目標を達成したところでなかなか効果が見え辛いもの。しかし、「行動をしているかどうか」は、進捗を確認すれば一目瞭然です。決めた行動にとにかく取り組むことに焦点を当てることで、育成は進みます。

 たとえば、コミュニケーションの円滑化のため、「朝一番、大きな声で挨拶する」という行動目標を立てたとします。すると、上司は「今日は挨拶小さいね。もっと元気良くいこうか!」とすぐに取り組める「行動」のレベルでフィードバックができるのです。

 大切なことはできるだけ具体的な… 続きを読む

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古川 武士

古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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