今すぐできる組織の改善(第22回)

『こち亀』に学ぶ、継続することの困難と、その価値

2016.11.11 Fri連載バックナンバー

 秋本治先生の『こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)』(集英社)の連載が終わりました。『週刊少年ジャンプ』1976年42号から2016年42号まで、一度も休載せずに40年間、全1,960回におよぶ連載、単行本にしてなんと200巻。これは、「発行巻数が最も多いマンガ」としてギネス世界記録にもなるほどの「継続」です。

 40年間、毎週同じことをやり続けるのは驚異的なことです。第一線でマンガを描き続けるため、秋本先生は「継続する」ことの前に立ちはだかる5つの困難を乗り越え続けたのではないでしょうか。

 

努力を継続し、第一線で活躍し続ける人の困難

 漫画家として40年に渡って走り続ける中で、秋本先生は物事を「継続」するためたくさんの困難を乗り越え続けてきたのではと私は考えています。

 その困難とは、大きなものでも以下の5つが想像できます。

 

【困難1】ネタ切れ、マンネリ化の打破

 『こち亀』は、亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉が周囲の人々とドタバタ劇を繰り広げる、一話完結のギャグ漫画です。毎回お馴染みのキャラクターたちが登場するわけですが、同じ主人公とその仲間を登場させて、何回も新しい物語を作り続けるということは非常に難しいのです。

 しかも同じ作者がマンガを描くのですから、2,000回近く描いていくうちに、同じ発想と同じ展開で、物語がマンネリ化してしまうでしょう。40年間の連載の裏には、常に新しいネタを発想し、マンネリに陥らない工夫を積み重ねてきたのだと思います。

 

【困難2】体調の維持

 漫画家の連載は、とてもハードだと聞きます。一時的には大丈夫でも、1年、3年、5年と継続していくと、小さな無理の積み重ねが大きな身体不調として表面化するのは当然といえば当然です。作者が腰痛、もっとひどい場合はヘルニアなど職業病で体を壊してしまい、連載を断念せざるを得なかった、というケースも少なくありません。その点、秋本先生は体調に相当気を使い、メンテナンスを習慣化していたのではないかと思われます。

 私たちビジネスマンも、多くの場合は40年間皆勤賞というわけにはいきません。誰しもが、どこかのタイミングで入院や、休職を余儀なくされることもあるでしょう。過酷な労働環境の中で体調維持をし続けることができたのも、秋本先生のたゆまぬ努力の結果でしょう。

 

【困難3】モチベーションの維持… 続きを読む

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古川 武士

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役

関西大学を卒業後、日立製作所などを経て06年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と、約500人の個人コンサルティングの経験を元に、習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。個人向けの習慣化支援、企業への行動定着支援を行っている。著書に『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(2015/大和書房)、『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』(2014/ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。

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