できる新卒社員の見極め方(第1回)

新卒で将来のハイパフォーマーを採用する方法

2015.09.17 Thu連載バックナンバー

 新卒採用は本来、ゼロベースから育成できることが魅力の、いわゆるポテンシャル採用である。しかし企業の競争が激化の一途を辿る中、即戦力としての期待も高まり続けている。

 一方、過度にハイレベルな職務要件を課すことは、メンタルヘルスの問題に発展する可能性を秘めており、企業にとって大きな経営課題としてのしかかっている。こうした二つの側面、すなわち「高業績を生み出す力」と「強いストレス耐性」を併せ持った人材採用への期待が高まっている。

 本稿では、これらの見極めに有効な「コンピテンシー採用」について解説する。

 

新卒採用に関する状況変化と近年の傾向

 約25年前に起きたバブル崩壊により、日本企業における価値観は大きく変化した。市場においては、グローバル化に拍車がかかり、競争は一段と激化することとなった。

 人事面では、能力主義から成果主義への切り替えが進み、採用においても、高学歴者や成績優秀者、体育会系といった一定のカテゴリーにフォーカスが当てられていたのに対して、入社後に成果があげられるかどうかそのものに焦点が当てられるようになった。新卒採用でありながら、学生としての優秀さではなく、社会人としての素養や実力を兼ね備えているかが、問われるようになったのである。

 更に近年は、うつ病などによる休職者が増加してきたことから、ストレスに対する強さも重視されるようになっている。

 

コンピテンシーとは何か

 バブル崩壊以降の時代の変化と要請に応えるために、日本でも採用において、「コンピテンシー」という考え方が導入されるようになった。コンピテンシーとは、高い業績をあげることができる行動特性のことを指している。自社において高い業績をあげることができる行動特性とは何かを明らかしに、その行動特性を有する者を採用する、それがコンピテンシー採用の考え方である。

 コンピテンシーとは何か、その本質を理解するために、もう少し説明を加えよう。

 職務を実行する要件は、一般的には「1.ナレッジ」「2.スキル」「3.コンピテンシー」「4.資質」の4つだとされる。

 「1.ナレッジ」とは、専門知識、業務知識、業界知識、その他の関連知識など、職務を遂行するために必要な知識のことである。「2.スキル」とは、テクニカルスキル、マネジメントスキル、コンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルなど、業務を遂行するために必要な技術を指している。

 「3.コンピテンシー」は、先述の行動特性の他、認知スタイル、姿勢、態度といったことも含めた、職務の行動特性のことである。最後の「4.資質」は、気質、記憶力、社会性、欲求傾向、知的知能などの、その人個人の特性を指している。

 

なぜ今、コンピテンシー採用なのか

 上記の4要件のうち「資質」は、いわゆる個性や性格と呼ばれるようなもので、後天的に変えることが難しいとされている。対して「ナレッジ」や「スキル」は、経験や学習を通じて後から修得可能なものとされる。

 「コンピテンシー」は… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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