ニュースを分析「その時企業は何を考えたのか」(第4回)

日本生命が三井生命を買収。視線の先は国内か海外か

2015.10.27 Tue連載バックナンバー

 みなさんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの横山研太郎です。「ニュースを分析『その時企業は何を考えたのか』」の第4回をお送りします。

 今回取り上げる企業は、9月11日に三井生命の買収を発表した「日本生命」です。
 国内生保で保険料収入(一般企業での売上高に相当)第2位の日本生命保険(以下、日本生命)が、同第8位の三井生命保険(以下、三井生命)を買収し、第1位に返り咲く見通しとなりました。

 実は、2015年3月期の保険料収入で、日本生命は戦後ずっと守り続けていた保険料収入首位の座を、初めて第一生命に明け渡してしまいました。このことについて日本生命の児島一裕取締役は、「国内ナンバーワンにこだわる」と首位奪還を宣言。今回の買収は、ナンバーワンを奪還するためのものと受け止められています。

 一部では、三井生命の買収について、「収益力がより低い会社を買収することで、収益基盤が弱まるのでは?」と疑問視する声も上がっています。

 しかし、日本生命もそれくらいはわかっているでしょう。単に三井生命の買収だけでは終わらない大きな戦略が、その裏に隠れているようです。

 

日本国内での地位をより強化しようとしている

 日本生命が大きく舵を切った理由のひとつに、「販売強化」があるでしょう。

 現在、保険を販売する窓口は、保険会社に所属する外交員、銀行での窓口販売、保険代理店が主なものです。日本生命は外交員の販売力で確固たる地位を築いてきましたが、銀行での窓口販売や保険代理店での販売ルートで、第一生命や外資系保険会社などが保険料収入(一般企業での売上高に相当)の拡大を計ってきました。その結果、2015年3月期の保険料収入で、日本生命は首位から陥落してしまいました。

 各社の追撃を受けながらも日本生命は、販売強化に向けたM&Aに打って出ようとしていました。

 まず、自社商品の買い手(つまり、日本生命にとっての得意先)を統合する「川下統合」を行っています。

 日本生命は今回の三井生命買収に先立って、今年5月に… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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