ニュースを分析「その時企業は何を考えたのか」(第2回)

トヨタの「AA型種類株式」が株主資本主義を変える?

2015.09.25 Fri連載バックナンバー

 みなさんこんにちは。ファイナンシャル・プランナーの横山研太郎です。「ニュースを分析『その時企業は何を考えたのか』」の第2回をお送りします。

 今回のテーマは、トヨタ自動車が発行した新株、「AA型種類株式」についてです。この新株は、どんなに株価が下がっても、トヨタが倒産しているなどの場合でない限り、購入した金額と同額でトヨタが買い戻すことを約束しているため、「事実上の元本保証株式だ」と言われています。

 投資家の間で話題を集めたこの新株ですが、発行する会社にとってはどのような価値を持つのでしょうか。

 

AA型種類株式の仕組み

 まず、AA型種類株式とはどんな新株なのかお話します。
(なお、AA型種類株式はトヨタ自動車初の量産型自動車「AA型」にちなんだものです)

 AA型種類株式の特徴は下記のとおりです。

・発行価格……10,598円
 ※7月2日終値8,153円の130%
・配当……配当額=発行価格×配当年率
 ※配当年率は、平成27年度0.5%から段階的に上昇し、平成31年度以降は2.5%となる
・議決権……あり
・普通株への転換……平成32年10月以降可
・発行価格での買取請求……平成32年9月以降可
・発行価格での自己株取得……平成33年4月以降可
・譲渡制限……原則として、取締役会の承認が必要

 普通株と金額は違うものの、会社の経営に参加することができる権利である「議決権」がある点や、配当金が受け取れる点は、普通の株式と同じです。一方で異なる点は、原則として5年間は売却できないこと、通常の株価よりも大幅に高い金額で発行されていること。そして、一定期間後は発行価格での買取をトヨタに請求できることです。

 

投資家にとってのメリットは?

 では、AA型種類株式でトヨタ自動車に出資する投資家にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか。最大のメリットは、… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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