ニュースを分析「その時企業は何を考えたのか」(第1回)

東芝の不適切会計はなぜ起きてしまったのか

2015.09.14 Mon連載バックナンバー

 みなさん、こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの横山研太郎です。今回より、実際に起きたニュースの事例から企業の戦略を分析する新シリーズ「ニュースを分析『その時企業は何を考えたのか』」をお送りします。

 第1回は、東芝の不適切会計問題についてです。さまざまなメディアでその手口が報じられていますが、不正が行われてしまった原因を考えると、どの会社でも起こり得る話なのです。

 

東芝はどのようにして利益をかさ上げしていたのか

 東芝が不適切会計をするための手口はどのようなものだったのでしょうか。約1,500憶円の利益をかさ上げしたと言われていますが、その主要な手口2つを簡単に説明しましょう。

 ひとつは、工事進行基準を悪用した「工事原価の過少見積」です。

 インフラ設備の工事などをする場合、工期が非常に長いため、工事完了時点で全ての売上をあげてしまうのは適切ではありません。そこで、「工事進行基準」というルールで売上と費用を計上する方法があります。この場合、工事が始まる前に売上と費用の総額を見積もり、工事の進捗度合いにあわせて少しずつ売上と費用を計上していくことになります。

 今回のケースでは、この費用総額を過少に見積もり、利益のかさ上げを図りました。しかし、工事にかかった費用を減らしているわけではありません。費用を過少に見積もった分は、工事が終了するときにまとめて計上しなければならず、将来の利益を先食いしているだけなのです。

 もうひとつは、… 続きを読む

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横山 研太郎

横山 研太郎

ねこのてFP事務所 代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる

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