「アサーション」で意見がまとまる組織にする方法(第1回)

自分を押し殺さない人間関係の築き方とは?

2015.07.08 Wed連載バックナンバー

対立が生じる経営現場は「アサーション」が必要

 現代は正に不確実な時代で、ビジネスの難易度は増すばかりである。まだ誰も行っていない新しいサービス事業を立ち上げるにはリスクが伴い、誰かが始めてからでは既に遅くビジネスチャンスを逃してしまう。経営の意識決定はますます難しく、そして重要となっている。

 その重要な意思決定を下す際、最も身近におり、最も信頼し、最も影響力のある人物が、その対立相手として立ちはだかることがよくある。

 以前取り上げた、大塚家具の一族経営における会長と社長の対立はまさにその一例であり、これを経営対立という。意思決定する当事者にとって回避すべき事態であることは言うまでもないが、社内の人間全員にとっても、強力なリーダーシップが2つ同時に異なる方向に発揮されることほど混乱を招く事態はない。

 こうした対立を防ぐ方法として有効なのが、自分も相手も大切にする自己表現法「アサーション」である。

 

アサーションとは「お互いを尊重し意見をまとめる方法」

 アサーション(Assertion)は、1950年代にアメリカにおける行動療法の中で発明され、日本には統合的心理療法研究所の所長・平木典子氏により広められた。本稿では、平木の著書「アサーション 自分の気持ちの伝え方」を元に解説する。

 アサーションとは、単なるコミュニケーション方ではなく、自分も相手も大切にする自己表現法であり、それぞれの違いを認め、気持ちのいいコミュニケーションを交わすことによって相互理解を進め、互いに信頼し合う関係を築くためのスキルであり考え方である。

 わかりやすく簡潔に言い換えるならば「自分の意見を通す方法」でもなければ「相手に意見を譲る方法」でもなく「お互いを尊重し意見をまとめる方法」であり、それができる人間関係を構築する方法である。

 アサーションでは、人間関係の捉え方として3通り用意されている。1つ目は、自分の気持ちや意見を言わずに、不正直な表現をする「(1)ノン・アサーティブ(非自己主張的自己表現)」。2つ目は、自分の言い分を通すために、主導権を握って物事を決めようとする「(2)アグレッシブ(攻撃的自己表現)」。3つ目は、お互いを大切にし合い、話し合うことによってお互いが誇らしい気持ちになれる「(3)アサーティブ」である。

 

自分を押し殺すことは会社のためになる?「ノン・アサーティブ」

 ノン・アサーティブとは、対立を避けるために自分の意見や気持ちを押し殺して、組織の活動を円滑に進めることである。一見すると、組織のためになり良さそうにも思える。しかし、この状態を続けると、自分にも相手にも組織にも大きな問題を生じさせることになる。… 続きを読む

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峯 英一郎/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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ライター・キャリア&ITコンサルタント

IT企業から独立後、キャリア開発のセミナーやコンサルティング、さまざまな分野・ポジションで活躍するビジネス・パーソンや企業を取材・執筆するなどメディア制作を行なう。IT分野のコンサルティングや執筆にも注力している。
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