ラグビーに学ぶチームマネジメント論(第3回)

強化に特効薬無し!愚直に信念を求めていくことのみ

2015.07.31 Fri連載バックナンバー

 現役を退いた後、東芝府中の監督、日本代表監督を務めた向井昭吾氏。請われてコカ・コーラウエストのラグビー部監督に就任し、自身が掲げた「3年でトップリーグ昇格」という目標に対し、2年目での昇格を成し遂げました。2015年3月にコカ・コーラレッドスパークスのGMを退きましたが、「ラグビーが好き」という本質は変わりません。日本で開催される「ラグビーワールドカップ2019」に向けて、ラグビーを盛り上げていきたいという向井氏に、これからの日本のラグビーやリーダーのあり方などについて、お話を伺いました。

<向井 昭吾 氏 プロフィール>

向井 昭吾:1961年愛媛県生まれ。東海大学から1984年東芝入社。日本代表のフルバックとして1987年第1回のラグビーワールドカップに出場。代表キャップは13を数える。1994年から東芝府中ラグビー部の監督を務め、1996年から日本選手権3連覇と一時代を築く。2000年12月から日本代表監督に就任し、2003年のラグビーワールドカップでは善戦するも予選プール突破ならず。ワールドカップ終了後に日本代表監督を退任。2004年、コカ・コーラウエストラグビー部監督に就任。2年目の2005‐06年シーズンにトップリーグ昇格を果たす。

 

世界的に変化を遂げているラグビーのスタイル

――2015年は9月にイングランドでワールドカップが開催されます。エディー・ジョーンズヘッドコーチ率いる日本代表チームは試合会場を視察するなど、準備を進めているようですね。

向井:私が代表監督を務めていた際、「ラグビーワールドカップ2003」に備えて、本番のちょうど1年前に現地オーストラリアに行き、同じ会場、同じ時刻に練習試合を行いました。本番では試合間隔が、1週間、5日、3日と短くなるため、コンディションを維持するのが困難です。そこであらかじめ同じ状況で試合を経験し、少しでも環境に慣れておこうと考えました。

 ニュージーランドとオーストラリアで開催された第1回大会には、選手として出場しましたが、最初は出場チームが招待制でしたので、どこかお客さん的な感覚があったように感じられました。ワールドカップの回を重ねるごとに、ラグビーに対する各国の取り組みをアピールする場に変わってきました。かつては“つなぐ”傾向がある「ヨーロッパ型」、“ぶつかる” 傾向がある「南半球型」などと言われましたが、今は地域を問わず、素早い動きやパス回しでスピーディーに展開するスタイルが主流です。15人のポジションの役割は変わりませんが、自分のポジション以外もカバーしなければならず、全員が同じようにプレーできることが求められるようになっています。

 私は「PからGO」という、ペナルティーを獲得してもゴールを狙わず、すぐにプレーするアタッキングラグビーを貫いてきました。それを実践するために、選手に求めたのがフィジカルフィットネスです。今の世界のラグビーの潮流も同じで、体が大きい、足が速いというだけでなく、基本的に選手はアスリートとしての資質が求められるようになっています。そのため練習時間と休息時間、普段の食事からメンタルまでを管理するのが当たり前になっています。

 

限られた時間でも効率的な練習を行う工夫

――東芝府中や日本代表の監督として、どのようにチーム作りを行ってきたのでしょうか。… 続きを読む

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川井 直樹

川井 直樹

ジャーナリスト

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