ラグビーに学ぶチームマネジメント論(第2回)

強化のカギは“軸がぶれない”チームスタイルの構築

2015.07.14 Tue連載バックナンバー

 サントリーサンゴリアスは、サントリーラグビー部として1995年の全国社会人大会と日本選手権での初優勝以来、2000年以降は日本選手権、全国社会人大会とそれ以後のトップリーグで合計12回の優勝を誇る。2012-13年シーズンのトップリーグ優勝、第50回日本選手権3連覇以降も、2013-14年シーズンはトップリーグ2位など常に上位をキープしています。かつてサントリーサンゴリアスの選手として活躍し、現在はスタッフとしてチームを支える尾関弘樹ゼネラルマネージャーと田中澄憲チームディレクターに、“ぶれない”チームづくりについて伺いました。

<サントリーサンゴリアス チーム紹介>
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1980年創部。「サンゴリアス」の名称は、サントリーの「サン」と太陽の「SUN」、巨人「ゴリアテ」に由来する。チームロゴに描かれたゴリラは「タフネス」「テンダー」「スピリチュアル」を象徴している。チームスタイルとして「アグレッシブ・アタッキングラグビー」を掲げ、日本一の攻撃型ラグビーと日本一のファイティングスピリッツを掲げている。これまでに全国社会人大会とそれに続くトップリーグ、日本選手権で12回の優勝を遂げており、常にトップリーグと日本選手権のダブル優勝を意味する「2冠獲得」を目指す強豪チームである。もちろん2014-15年シーズンも、その達成を目指す。クラブハウスとホームグラウンドは、サントリー府中スポーツセンター(東京都府中市是政6-22)にある。

 

チームの目指すところを再確認し日本選手権で善戦

――サントリーサンゴリアスは、2000年以降、全国社会人大会やトップリーグ、日本選手権での活躍が印象に残ります。

尾関:サントリーサンゴリアスは「アグレッシブ・アタッキングラグビー」をスタイルとしてきました。このスタイルはチームの伝統であり、選手はもちろん監督、コーチやチームを支えるスタッフも一丸となって守って行くべきスタイルだと考えています。しかし2000年以降、このスタイルを愚直に守りながらもチームとして進化はしています。そうでなければ、常に優勝を狙うことはできません。

 2014-15年シーズンがトップリーグ5位と不本意な結果に終わったのは、チームとして意思疎通が取れていない部分があったからと反省しています。しかし、日本選手権において、決勝戦でヤマハ発動機ジュビロに負けはしたものの、ファイナルまでたどり着いたのは、チームの方向性を再確認して戦えたからだと感じています。

田中:今はチームディレクターとして、チームをすぐそばから見ているのですが、自分の選手時代を含めて、監督やコーチが替われば戦略や戦術面で方向性は変わってくるものです。しかし、「われわれのラグビースタイルという軸」は絶対にぶれてはいけないし、またぶれてはいないと思っています。相手によってスタイルを変えるのではなく、自分たちのラグビーを信じて突き進めるかどうかが、最終的に一番大事な部分と言えます。

――これまでの成績などを見ても、サントリーサンゴリアスには常に「優勝」が求められると思われます。それは、チームにとってプレッシャーになるのではないでしょうか。

尾関:当然のことですが、経営トップからは「優勝」を求められますし、社員からの期待も感じます。チームはCSR推進部に属していて、創部当初、当時の佐治敬三社長から「社会に感動を与える」ことを求められており、その精神は今も変わりません。言うならば、ブランドイメージ戦略としてサントリーの知名度向上に貢献することもミッションの一つです。サントリー府中スポーツセンターで開催しているラグビー教室などを通じて、サンゴリアスとしてCSRに貢献しています

 加えて、サントリーグループの社員に「勇気」と「元気」を与えることも使命だと思います。そのためには、チームが常に優勝を目指し上位で戦っていることが大切です。確かにプレッシャーはありますが、その分モチベーションが高まります。

田中:サンゴリアスには、最近でこそプロ選手が増えていますが、それまでは社員選手中心のチームでした。選手はほかの社員と同様に営業部署に配属されており、それぞれお客さまを持って仕事をしています。ラグビー部の社員は規律がしっかりしていて、やるべき仕事はしっかりやると社内の評価は高いです。

 

選手獲得はラグビーの素質に加えてサントリー社員としての適性も重視

――尾関さん自身、長く営業を担当し、昨年ゼネラルマネージャーとしてチームに復帰されたとのことですが、選手の仕事面については、どのように感じていらっしゃいますか。… 続きを読む

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川井 直樹

川井 直樹

ジャーナリスト

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