ラグビーに学ぶチームマネジメント論(第1回)

チーム全体の意思統一が勝つチームづくりのカギ

2015.06.19 Fri連載バックナンバー

 あらゆるチームスポーツにおいて、メンバーをまとめ上げ、強い組織をつくり上げていくことは並大抵の作業ではありません。戦略・戦術を練り上げる監督やコーチ、分析担当といったスタッフに加え、多数のバックアップスタッフも「強いチームづくり」には欠かせません。そして、チームを運営面から統括するのがGM(ゼネラルマネージャー)の役割です。ジャパンラグビートップリーグで戦うキヤノンイーグルスは、本格的な活動をスタートさせたのが2008年という新興のチーム。驚異的なスピードでトップリーグ入りを果たした舞台裏を、佐藤一弥GMに伺いました。

<キヤノンイーグルス チーム紹介>
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1980年創部。2008年から本格的な強化・育成をスタート。2008-09シーズンは関東社会人1部リーグ2位。ジャパンラグビートップイーストリーグに昇格。2010-11シーズンには同リーグで全勝優勝し、トップリーグへの入れ替え戦に駒を進める。このシーズンは昇格とならなかったが、翌2011-12シーズンに2年連続イーストリーグ優勝、トップチャレンジ1位で自動昇格を果たした。昇格後の2012-13シーズンは11位、2013-14シーズン7位と順位を上げる。2014-15シーズンも7位で終え、成績は安定してきたが、さらに上位を目指すチャレンジが続く。現在の監督は、サントリーのキャプテンとして日本選手権優勝経験のある永友洋司氏。チーム理念は「尊敬・尊重=Respect」「規律=Discipline」「情熱=Passion」。クラブハウスは、キヤノンスポーツパーク(東京都町田市小野路町5290番地1)にある。

 

アタッキングラグビーの原点に還る

――キヤノンのラグビー部は2008年から本格的に活動を開始した、比較的新しいクラブですね。

佐藤:私がNTT担当の営業部長から異動してGMに就いたのが2008年の7月です。その時のチームは、選手は13人しかおらず、1チームの15人にも満たないという状態でした。シーズンインを目前に、引退していた選手や他チームで戦力外となった外国人選手を集めてチームを編成しました。当時、千葉にある健保組合の施設を利用させてもらいましたが会社から遠く勤務に苦労しました。そのため翌シーズンにはアメリカンフットボールチームのグラウンドを半分借りたり、Jリーグクラブの練習場を使わせてもらったりするなど、3カ所を転々としていました。

 キヤノンの経営層は、優勝を目指すなら最初から必要なインフラは整備し、準備を整えて勝負に出るべし、という考えを持っていました。そのため、早くからクラブハウスと練習場の立地選定に着手しました。最初は川崎市内の事業所の敷地に芝を植えて練習場にしてはどうかといったプランも出ましたが、さすがに社員が仕事している隣でラグビーの練習はできないだろうということで、現在の町田市内の場所を選びました。

 GMに就いた時に経営トップから、「何年で優勝できる?」と聞かれて、「トップリーグに昇格するまで10年はかかります」と答えたら、「半分の5年でやってくれ!」と言われました。経営サイドにとっては、「仕事もスポーツも計画してそれを前倒しで実現させる」ということでしょう。どうにか4年目の2012-13シーズンにはトップリーグで戦うことができ、5年以内という約束を果たせてほっとしました。同時にクラブハウスや練習施設が完成し、ようやくトップリーグで戦っていく体制が構築できました。

――キヤノンイーグルスが目指すプレースタイルについて教えてください。そして、それを確立していくためにどのような強化育成方針を掲げているのでしょうか。

佐藤:キヤノンイーグルスの目指すスタイルは、… 続きを読む

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川井 直樹

川井 直樹

ジャーナリスト

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