ワークスタイル変革の可能性

働き方変革が人と組織にもたらすイノベーションとは

2014.11.20 Thu連載バックナンバー

 はじめまして、富士ゼロックス総合教育研究所の高城晴美です。コンサルティングを通じて、戦略の確実な実行のために、現場で働く一人ひとりの社員の意欲を高め、新たな活動に一歩踏み出してもらうご支援をしています。

 最近、働き方変革への取り組みが、多くの企業で経営課題になっています。総労働時間の削減や残業規制を行うケースもあり、コスト削減のみを目的とした施策という誤解も受けがちです。

 本稿では、働き方変革が、どのように企業のイノベーションに効果をもたらすのかを考えていきます。

 

今、なぜ働き方の変革が叫ばれているか

 日本の労働人口が減少していく中、企業は女性や高齢者など潜在労働力の活用に力を入れ始めました。これからは団塊の世代が高齢化してきますので、男性社員も要介護の親を抱える人が増え、これまで同様に長時間労働スタイルで働ける人は減少していきます。持続可能な社会にするためには、今働き方を変えることが急務となっているのです。

 働く個人にとっての働き方変革の意義は、仕事や生活の質を高めることにあります。長時間労働によるストレスや過労から解放され、より健康的になり、家族や友人と楽しむことに時間をとれるようになります。また、趣味や社会貢献のコミュニティへ参画し人脈や視野を広げたり、新たな学びの時間を持ったりすることは、仕事の面でもプラスになり、充実感や幸福感を高めるといえます。

 企業はどうかというと、在宅勤務やテレワークの導入など新しい制度を始めています。そのねらいは業務効率化であり、さらには全く新たな製品やサービスを生み出すためにも効力を発揮します。イノベーティブな発想を得るために、時間と場所を選ばず、さまざまな他部門や社外の人と接触するノマドな働き方ができるようになるのです。

 

組織の壁を超える働き方

 もう少し、企業における働き方の変革と仕事のやり方の変革について考えていきましょう。

 ある化学メーカーの例では、新規事業を創出し軌道に乗せていくことが重要戦略と数年来掲げられていました。問題意識が強く、組織の壁を越え、上層部を巻き込んで予算と人員を獲得できるようなイノベーター型人材を求めていました。しかし、新たな発想を期待している研究開発部門の中堅以下の若い層は、与えられた仕事をそつなくこなすタイプが多く、隣の人の仕事内容さえよく知らないような“タコツボ化”(外界との接触がなく、狭いコミュニティに居ること)が進んでいました。… 続きを読む

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高城 晴美

高城 晴美

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 研究開発&コンサルティング部

2000年富士ゼロックス総合教育研究所に入社。前職での映像による人材開発システムの企画およびコンサルティング営業の経験を活かし、PSS VI、ADS、MFCV、PMIなど弊社の主力プログラムの企画、開発およびトレーナー養成を行う。現在は外部顧客向けにオーダーメイドの教育プログラム企画開発、導入支援、リサーチ&アセスメントの企画・実行支援に従事。お客さまの課題解決を現状把握から、社員の意識・行動変容までご支援するコンサルティングを展開している。ASTD japanリーダーシップ開発委員会メンバー。

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