幕末藩主に学ぶリーダーの資質(第5回)

悪役上等!信念で歴史を動かした彦根藩・井伊直弼

2015.02.20 Fri連載バックナンバー

 経済のグローバル化が進む中、2013年に安倍晋三首相はTPPへの参加を表明しました。以後、日本国内では参加の是非をめぐって賛成派と反対派の議論が続いています。

 反対派が掲げる主張の多くは、関税の撤廃によって国内の農業が深刻なダメージを受けるだろうというものです。一方で賛成派は、輸出がしやすくなれば日本の産業は新たな需要を得て活性化すると見通しています。どのような影響が出るか、いまだ不透明というのが大方の見方かもしれません。

 それでも、長引く不況の中で、日本が変わるべきときを迎えているのは確かでしょう。その変化のきっかけがTPPにあるのか否か。あるのなら、諸外国を相手にどう立ち回る必要があるのか。現在の内閣には、強い信念を持った判断力と外交手腕が求められています。

 このTPP参加案が菅直人元首相によって立ち上げられたときのスローガンが「平成の開国」でした。ということは、それ以前に「元祖の開国」があるのです。それが「幕末の開国」であり、幕末の開国を強い信念で実行した人物こそが、彦根藩主・井伊直弼(なおすけ)です。

 

不遇の少年時代に己を磨く

 井伊直弼というと、「安政の大獄で大弾圧を行い、恨みを買って桜田門外で暗殺された傍若無人な政治家」というイメージが現在でも強いようです。しかし、多くの歴史上の敗者は、悪役に仕立て上げられていることを、忘れてはなりません。平清盛しかり、淀殿しかり。直弼もまた、明治維新で敗れた幕府の人間なのです。

 実際の直弼は、… 続きを読む

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かみゆ歴史編集部

かみゆ歴史編集部

歴史コンテンツメーカー

歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体の編集制作を行う。ジャンルは日本史・世界史全般、アート、日本文化、宗教・神話、観光ガイドなど。おもな編集制作物に『日本の山城100名城』(洋泉社)、『一度は行きたい日本の美城』(学研)、『戦国合戦パノラマ図鑑』(ポプラ社)、『系図でたどる日本の名家・名門』(宝島社)、『大江戸今昔マップ』(KADOKAWA)、『国分寺を歩く』(イカロス出版)など多数。お城イベントプロジェクト「城フェス」の企画・運営、アプリ「戦国武将占い」の企画・開発なども行う。公式サイトはwww.camiyu.jp

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