東京五輪の舞台裏

どうなる?東京五輪の整備計画変更

2014.08.17 Sun連載バックナンバー

 「キャシュ・イン・ザ・バンク!(カネなら銀行にある)」。昨年9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた2020年五輪の招致イベントで、当時の猪瀬直樹東京都知事は、都が五輪のために準備した約4,000億円の積立金を念頭に大見えを切った。

 それから9カ月後の今年6月、猪瀬氏の後任となった舛添要一知事は都議会での所信表明で、2020年東京五輪の会場整備計画について「都民の理解を得て実現できるように内容を再検討する」と語り、都が担当する10会場・総額4,554億円の建設計画を見直す考えを示した。

 

突然の見直し表明

 見直し発言の背景には建設資材費や人件費の高騰がある。東日本大震災の復興需要や景気の回復で、会場の新設は当初の想定をはるかに上回る資金が必要になった。

 顕著な例が新国立競技場だ。国際コンペを勝ち残ったイラクの新進女流建築家、ザハ・ハディド氏の設計による新競技場は、空間に動きを与える巨大な建造物だ。だがその建設費は3,000億円。敷地面積を削るなどして1,700億円に修正されたものの、それでも当初予算の1,300億円を大幅にオーバーしている。しかもこれは昨年7月時点の単価、消費税5%での概算で、今後の建設資材や建設労働者の人件費高騰を考えると建設予定コストが1,700億円で収まるとは思えない。

 そもそも現在の国立競技場を建て替える必要があるのか、という指摘も少なくない。1958年に竣工し、築60年を迎えるこの建物は、2010年度には建て替えに700億円かかると試算されている。改修保存で維持活用した方が新設するより経済的メリットは高い。7月末現在、国立競技場の解体に対する業者の入札も行われておらず、反対派は「いまのうちに見直すべきだ」と声をそろえる。… 続きを読む

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産経デジタル

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