マレーシアを狙え!(第2回)

迫るASEAN統合、マレーシアの国民車に将来はあるか

2014.07.22 Tue連載バックナンバー

 2015年末に東南アジア諸国連合(ASEAN)が市場統合し、人口約6億人という世界第6位の巨大な自動車市場が生まれる。自動車先発国として生産台数で長くASEANトップを独走してきたマレーシアだが、猛追するタイ、インドネシアに抜かれて現在は3位に転落。支持率低下にあえぐナジブ政権は、市場統合後の生き残りをかけ、自動車産業の復権に躍起だ。キーワードは、投資の呼び込みによる省エネ車の開発と輸出強化となる。

 世界銀行の統計資料によると、2012年のASEAN10カ国の自動車保有状況は、インドネシア(約1,800万台)にタイ(約1,300万台)、マレーシア(1,200万台)と続く。7,600万台の日本との差は大きく、しかも人口1,000人当たりの台数をみると、599台と飽和状態にある日本に対して、マレーシア395台、タイ191台、インドネシア73台。ASEANトップ3の市場潜在力に、世界の注目が集まるのは当然だろう。

 この中でもインドネシアへの期待は別格といえる。一般に、1人当たり国内総生産(GDP)が3,000ドルを超えると、モータリゼーションが加速して二輪車から四輪車にシフトするといわれるが、3,500ドルを超えたインドネシアは今後、2億4,000万人の人口を抱えるASEAN最大の自動車市場として、急速な成長が見込まれる。

 足元の販売台数をみても、インドネシアは旺盛な国内需要や購買力の増加に加え、日本企業を中心とする外資の資本注入がけん引して、年内にもタイを抜いてASEANトップに躍り出そうだ。ロイター通信によると、3月実績がインドネシアでは前年同月比17.8%増を達成(速報値)したのに対し、政情不安や洪水が内需に冷や水をかけたタイは同45%減。通年ベースではタイが11.7%減の117万5,000台となり、インドネシアは6.5%増の131万台と予想されている。

 一方、両国の後塵を拝する格好となったマレーシアだが、5月の販売台数は12.7%増(速報値)と消費者の購買意欲は決して衰えていない。しかも乗用車に限ってみると、伸び率はタイ、マレーシアを上回るペースを維持しており、「2013年の販売台数は前年比4.5%増の65万5,800台と、2年連続で過去最高を更新。政府の販売促進策がカンフル剤となり、今年もさらなる成長が期待できる」(クアラルンプール在住のアナリスト)という見方が支配的だ。

 だが、市場統合を見据えた中長期的視点に立てば、総人口が3,000万人に満たないマレーシアの市場は自ずと限界がある。しかも、… 続きを読む

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産経デジタル

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