マレーシアを狙え!(第3回)

中東からの観光客が急増、ハラール認証ビジネスとは

2014.07.23 Wed連載バックナンバー

 イスラム教を国教と定めるマレーシアで、アラブからの旅行者が急増している。同じイスラム圏として安心感あるというのが主な理由だが、後ろ盾になっているのは、イスラム教の戒律に沿って生産・管理される食品のハラール認証(イスラム法において合法なものであることの認証制度)にマレーシアが世界で唯一政府が関与している点だ。マレーシアのハラール認証は国際的に評価されているが、これが戒律を厳格に守るアラブからの観光客流入で相乗効果を生み、マレーシアは今、60兆円といわれるイスラム市場に参入する玄関口として注目されている。

 マレーシア政府観光局の統計によると、サウジアラビアから訪れる観光客は、2万7,000人だった2000年に対し、昨年はこの3.5倍超の約9万5,000人にまで膨らんだ。他の湾岸諸国を見渡してみても、クウェートやオマーンが渡航者数ではサウジアラビアに及ばないものの、伸び率では過去10年で10倍超という激増ぶりだ。

 最高気温が50度に迫るサウジアラビアなどの湾岸諸国では、富裕層たちが夏場、“避暑地”を求めて海外に繰り出す。人気の渡航先は、かつて「中東のパリ」といわれたレバノンのベイルートのほか、シリアやエジプトなど。ところが、チュニジアで2010年に始まった「ジャスミン革命」が引き金となり、民主化を求める反政府運動が中東各国に飛び火。このいわゆる「アラブの春」の影響から、観光地も深刻な政情不安に陥り、行き先を失った観光客がマレーシアに流れ込んでいる格好だ。

 しかも、渡航中の1人当たり平均消費額では、トップグループに入る日本と中国からの観光客が2,700リンギット(約86,000円)前後で横並びになるのに対し、サウジアラビアは8,000リンギット(約255,000円)を超え、アラブ首長国連邦(UAE)も6,400リンギット(約235,500円)と飛び抜けている。このオイルマネーがもたらすすさまじい購買力もあり、マレーシアは官民を挙げて湾岸諸国からの観光客を歓迎している。… 続きを読む

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産経デジタル

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