弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第14回)

税務調査がやってきた…でも怖がる必要はありません

2015.01.28 Wed連載バックナンバー

 企業活動をする上で避けることができない問題の一つに、税金問題があります。自社では完璧な内容のつもりで申告を行っても、誤りがあれば税務署は是正を求めてきます。これが「税務調査」というものです。

 この税務調査について、不安に思っている人も多いでしょう。関係ないことまで勝手に調べられてしまうのでは? 税金を通常よりも多く払わなければいけないのでは? そんな不安を払拭するためにも、企業としては税務調査を正しく理解し、対応する必要があります。

 今回は税務調査について、そこまで怖がらなくて済む方法を考えてみましょう。

 

そもそも、税務調査って何?

 税務調査とは、税務調査官が納税者の申告内容が正しいかどうかを確認するために行う調査のことをいいます。そもそもなぜこのような調査が認められているかというと、事実とは異なる申告により納税者間で不公平が生まれないようにするためです。

 たとえば所得税や法人税は、納税者自身が所得などの申告をし、それに従い税額を納付するという「申告納税制度」となっています。そのため、申告には間違いや虚偽の内容が含まれる可能性もあります。事実とは異なる申告内容であれば、当然、本来とは異なる額の税金を納めていることになりますので、正しく納税している納税者との間で不公平な結果となってしまいます。

 そのようなことが起きないよう、国税局や税務署の調査官が納税者の事務所等を訪問し、申告内容が正しいかどうかを質問や帳簿により確認し、場合によってはその申告内容を是正させる必要がります。そのために税務調査という制度が認められているのです。

 このような「申告書の内容が正しいかどうかを確認し、申告内容に誤りが認められた場合や申告する義務がありながら申告をしていなかったことが判明した場合には是正を求める」までの一連の手続きを、税務調査と呼んでいます。具体的な内容については、平成23年度の税制改正において、国税通則法第7章の2に定められました。

 つまり、税務調査は「申告書の内容を確認するための調査」であるため、税務調査が来たこと自体は、脱税が疑われていることや税金を追加で支払う必要があるということにはなりません。無駄に恐れる必要はありません。

 

税務調査イコール「脱税」ではない

 税務調査では、具体的にどのようなことが行われるのでしょうか。基本的には、税務署からの「質問」と、それに対する「回答」が主体となります。

 税務調査では「質問検査権」というものが国税庁等の職員に認められています。その内容は、所得税、法人税等に関する調査について必要があるとき一定の者に質問し、又は一定の帳簿書類等につき検査、提示、提出を求めることができる(国税通則法74条の2等参照)というものです。調査において、調査官の質問に答えない場合や帳簿の提出等を拒否した場合など一定の場合には、罰則の定めもあります。そのため、税務調査では、主にこの質問検査権を行使して、申告書の内容に誤りがないかどうかを確認していくことになります。

 この手続きと混同されやすい手続きとして「犯則調査」というものがあります。… 続きを読む

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本間 由也

本間 由也

こだまや法律事務所 代表弁護士 /税務調査士

1982年生まれ。2004年明治学院大学法学部法律学科卒業、2007年明治学院大学法科大学院法務職研究科法務専攻卒業。翌2008年に司法試験合格。紀尾井町法律事務所での勤務を経て、2011年1月法テラス西郷法律事務所初代所長に就任。2014年2月こだまや法律事務所を東京都国分寺市に開所、現在に至る。

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