成功するか? 社外からのトップ登用(前編)

外国人トップに何を委ねるか

2014.05.26 Mon連載バックナンバー

 たたき上げのプロパー社員ではなく、社外からトップを起用する企業が目立っている。社外人材の登用で停滞感を払拭し、新たな可能性に挑むのがねらいだ。まずは外国人を登用する事例から。

 

老舗企業に40代のフランス人

 薬品最大手、武田薬品工業は47歳のフランス人を次期トップに選んだ。6月下旬の株主総会で、ライバル会社の英製薬大手、グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチン事業を統括してきたクリストフ・ウェバー氏を次期社長兼COO(最高執行責任者)に就任することを決める。現社長の長谷川閑史氏は会長兼CEO(最高経営責任者)に就任するが、1年後にはCEOをウェバー氏に譲るという。

 武田は近年、海外企業の買収を積極化している。2008年には米国のバイオ技術企業、ミレニアム・ファーマシューティカルズを88億ドル(当時約9,100億円)で買収した。11年にはスイスのニコメド社も96億ユーロ(当時約1兆3,700億円)で傘下に収めた。いまや同社の売上高に占める海外比率は5割を超え、全世界で約3万人いる従業員の3分の2が外国人だ。

 経営幹部にも外国人が増えた。取締役8人のうち2人、経営幹部会議の定例メンバーは9人中5人が外国人だ。昨年は最高財務責任者(CFO)にフランス人のフランソワ・ロジェ氏を、人的開発部門責任者に米国と英国の国籍を持つデービッド・オズボーン氏を起用している。

 一方で武田は主力の糖尿病薬「アクトス」に代わるヒット商品を見つけられないまま、12年にはアクトスが特許満了を迎えてしまった。そして13年9月中間期決算の国別・地域別売上高をみると、全売上高に占める中南米・アジア・中東・オセアニア・アフリカの割合は11.2%にとどまっている。

 こうした状況を踏まえ、1993年にGSKに入社以来、3つの大陸、7カ国で勤務経験を持ち、直近までアジアの責任者を務めた後、ワクチン事業会社社長を務めていたウェバー氏の登用は、国際化への対応と出遅れた新興国市場強化がねらいだ。

 だが、創業から233年の歴史を持ち、同族経営が長かった武田にとって、初めてとなる外国人社長の先行きは予断を許さない。… 続きを読む

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産経デジタル

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